シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想
今回は厚生年金保険法の出題予想です。
それでは恒例となりました出題実績の確認です。
こうしてみると・・・改めて過去問の重要性が明らかになりますね。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
【厚生年金保険法】過去7年間の出題実績(5回以上)
・高齢任意加入被保険者
(法附則4条の3ほか)平成11、12、14、16、17年出題あり (計7肢)
・加給年金額(老齢厚生年金)
(法44条ほか)平成11~13、15、16年出題あり (計14肢)
・特別支給の老齢厚生年金
(法附則8条ほか)平成16年を除き、毎年出題あり (計8肢)
・支給停止(障害厚生年金)
(法54条ほか)平成12~14、16、17年出題あり (計6肢)
・受給権者(遺族厚生年金)
(法58条)平成12年以外毎年出題あり (計9肢)
・遺族(遺族厚生年金)
(法59条ほか)平成12年以外毎年出題あり (計10肢)
・保険料の負担・納付
(法82条ほか)平成14年以外毎年出題あり (計8肢)
・厚生年金基金の目的等
(法106条ほか)平成11、13、15~17年出題あり (計7肢)
・厚生年金基金の業務
(法130条ほか)平成13~17年出題あり (計10肢)
・不服申し立て
(法90条ほか)平成11、13、15~17年出題あり (計17肢)
・届出等
(法27条、89条)平成13年以外出題あり (計16肢)
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
出題実績からは、「毎年のように出題されるけれども、出題頻度は低い規定が
多い」ということがわかりますね。
つまり、「繰り返し出題される規定は多いけれども、1つの規定について
あれやこれやと問われることは少なくて、1、2肢出題されるだけ」という
ことです。
同じ「年金科目」でも、国民年金法の出題傾向とは明らかに異なっています。
したがって、厚生年金保険法と国民年金法とでは、当然、学習方法や対策も
異なってくるわけです。極論すると、
国民年金法:各々の規定の制度趣旨、仕組み、適用方法・・・1つ1つの規定を
じっくりと掘り下げる。
厚生年金保険法:制度の概要、仕組みを把握することに注意する。
誤解しないで頂きたいのは、「厚生年金保険法は、上っ面だけ押えておけば
それでよい」ということではありません。国民年金法と同じく、1つ1つの
規定をじっくりと掘り下げられるのであれば、それに越したことはありません。
ただし・・・本試験ではそこまで問われることは少ないんです。
たとえば、誰もが頭を抱える「特別支給の老齢厚生年金と繰上げ支給の老齢
基礎年金との調整(いわゆる一部繰上げ)」の規定ですが、これを本当の意味で
理解するにはいったいどのくらいの労力を要するのでしょうか?
ところが、過去7年間においてどのくらいの頻度で出題されたかといいますと・・・
驚くなかれ、「たった1肢(関連事項を含めても2肢)」なんです。
講師の立場上、繰上げ調整額やら年金額の改定やら、ひととおりの規定を
解説します。それは制度の「概略」を理解する上で必要なことであり、また、
ある程度の時間をかけるのはやむを得ないことです。
ただし、必要以上にはまり込んでしまうのはあまりにリスクが大きすぎるという
ことなんですね。こうしたことを踏まえた上で、厚生年金保険法なりの対策を
とる必要があります。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
【対策その1】シンプルな規定を確実に押さえておきましょう!
ご存知のとおり、厚生年金保険は複雑な規定が多数存在します。本来であれば、
出題者側としてもこういった部分を出題したいはずです。
が、そうするには問題がとてつもなく複雑になってしまのです。あいまいな
条件付けをすると出題ミスにつながりますから、例外事項の排除やら何やらを
盛り込む必要があります。その結果、問題文が十数行!!なんてことにもなり
かねません。これを本試験に出題するのはさすがに不適切でしょう。
必然的に、「シンプルな規定」ほど出題頻度が高くなってきます
(前述の「一部繰上げ」の規定がほとんどノータッチなのは、おそらくこう
いった事情もあるのでしょう)。
ちなみに・・・本試験形式(5肢択一形式)の過去問集をお持ちの方は、
それぞれの問の「正解肢(解答となる肢)」に注目してください。中には奇を
てらったような選択肢もちらほら見受けられますが、その多くは、「その肢だけ
をみれば、ごく基本的な内容」を問うものであるとの印象を受けるのではない
でしょうか(個人差があるので、断言はできませんが・・・)。
「厚生年金保険は複雑怪奇、とにかく難解」
というのはあくまで幻想・思い込みにすぎません。この幻想・思い込みを
作り出してしまうのはほかでもない、自分自身なんですね。そこから脱却する
には、「いったん、テキストを離れる」ことも必要かもしれません。
テキストにはほぼすべての規定が記載されていますが、本試験においてテキスト
に記載されていることがすべて出題されることは有り得ませんので。
ちなみに・・・
きちんと学習を進めていれば、シンプルな規定は案外とインプットされている
ものです。で、あれば、それをより確実なものとするための反復をする際に、
テキストを利用すればよいでしょう。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
【対策その2】前年の選択式試験の出題対象に注意しましょう!
厚生年金保険法では、前年の選択式試験の出題対象が翌年の択一式試験
で出題される傾向があります。この辺りは過去問集をチェックすれば一目
瞭然ですから、しっかりと確認しておきましょう。
ただし、平成17年は厚生労働白書からの出題でしたので、それに関連する
事項ということになりますね。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
それでは最後に、厚生年金保険法の「講師:栗澤の一押しポイント」ですが、
対策その2を受けて、
「国庫負担」
としたいと思います。
以前、選択式試験の出題予想でも触れましたが、厚生年金保険法の選択式試験は、
「費用の負担(保険料や積立金の運営、財政運営方式などを含む)」に関連する
出題が多いです。
「国庫負担」もその1つですし、平成16年改正では基礎年金拠出金の国庫負担
割合の引上げが行われるなど、注目する理由には事欠きません。
主だったものには、「基礎年金拠出金について国庫負担」や「経過措置」、「事務費
についての国庫負担」などがありますが、ほかにも「昭和36年4月前の被保険者
期間に係る保険給付に要する費用についての国庫負担」など、少し特殊な規定も
あります。多少細かい規定も含まれますが、規定そのものは至ってシンプルです
ので、しっかりと押さえておいて頂きたいポイントです。
今回は厚生年金保険法の出題予想です。
それでは恒例となりました出題実績の確認です。
こうしてみると・・・改めて過去問の重要性が明らかになりますね。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
【厚生年金保険法】過去7年間の出題実績(5回以上)
・高齢任意加入被保険者
(法附則4条の3ほか)平成11、12、14、16、17年出題あり (計7肢)
・加給年金額(老齢厚生年金)
(法44条ほか)平成11~13、15、16年出題あり (計14肢)
・特別支給の老齢厚生年金
(法附則8条ほか)平成16年を除き、毎年出題あり (計8肢)
・支給停止(障害厚生年金)
(法54条ほか)平成12~14、16、17年出題あり (計6肢)
・受給権者(遺族厚生年金)
(法58条)平成12年以外毎年出題あり (計9肢)
・遺族(遺族厚生年金)
(法59条ほか)平成12年以外毎年出題あり (計10肢)
・保険料の負担・納付
(法82条ほか)平成14年以外毎年出題あり (計8肢)
・厚生年金基金の目的等
(法106条ほか)平成11、13、15~17年出題あり (計7肢)
・厚生年金基金の業務
(法130条ほか)平成13~17年出題あり (計10肢)
・不服申し立て
(法90条ほか)平成11、13、15~17年出題あり (計17肢)
・届出等
(法27条、89条)平成13年以外出題あり (計16肢)
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
出題実績からは、「毎年のように出題されるけれども、出題頻度は低い規定が
多い」ということがわかりますね。
つまり、「繰り返し出題される規定は多いけれども、1つの規定について
あれやこれやと問われることは少なくて、1、2肢出題されるだけ」という
ことです。
同じ「年金科目」でも、国民年金法の出題傾向とは明らかに異なっています。
したがって、厚生年金保険法と国民年金法とでは、当然、学習方法や対策も
異なってくるわけです。極論すると、
国民年金法:各々の規定の制度趣旨、仕組み、適用方法・・・1つ1つの規定を
じっくりと掘り下げる。
厚生年金保険法:制度の概要、仕組みを把握することに注意する。
誤解しないで頂きたいのは、「厚生年金保険法は、上っ面だけ押えておけば
それでよい」ということではありません。国民年金法と同じく、1つ1つの
規定をじっくりと掘り下げられるのであれば、それに越したことはありません。
ただし・・・本試験ではそこまで問われることは少ないんです。
たとえば、誰もが頭を抱える「特別支給の老齢厚生年金と繰上げ支給の老齢
基礎年金との調整(いわゆる一部繰上げ)」の規定ですが、これを本当の意味で
理解するにはいったいどのくらいの労力を要するのでしょうか?
ところが、過去7年間においてどのくらいの頻度で出題されたかといいますと・・・
驚くなかれ、「たった1肢(関連事項を含めても2肢)」なんです。
講師の立場上、繰上げ調整額やら年金額の改定やら、ひととおりの規定を
解説します。それは制度の「概略」を理解する上で必要なことであり、また、
ある程度の時間をかけるのはやむを得ないことです。
ただし、必要以上にはまり込んでしまうのはあまりにリスクが大きすぎるという
ことなんですね。こうしたことを踏まえた上で、厚生年金保険法なりの対策を
とる必要があります。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
【対策その1】シンプルな規定を確実に押さえておきましょう!
ご存知のとおり、厚生年金保険は複雑な規定が多数存在します。本来であれば、
出題者側としてもこういった部分を出題したいはずです。
が、そうするには問題がとてつもなく複雑になってしまのです。あいまいな
条件付けをすると出題ミスにつながりますから、例外事項の排除やら何やらを
盛り込む必要があります。その結果、問題文が十数行!!なんてことにもなり
かねません。これを本試験に出題するのはさすがに不適切でしょう。
必然的に、「シンプルな規定」ほど出題頻度が高くなってきます
(前述の「一部繰上げ」の規定がほとんどノータッチなのは、おそらくこう
いった事情もあるのでしょう)。
ちなみに・・・本試験形式(5肢択一形式)の過去問集をお持ちの方は、
それぞれの問の「正解肢(解答となる肢)」に注目してください。中には奇を
てらったような選択肢もちらほら見受けられますが、その多くは、「その肢だけ
をみれば、ごく基本的な内容」を問うものであるとの印象を受けるのではない
でしょうか(個人差があるので、断言はできませんが・・・)。
「厚生年金保険は複雑怪奇、とにかく難解」
というのはあくまで幻想・思い込みにすぎません。この幻想・思い込みを
作り出してしまうのはほかでもない、自分自身なんですね。そこから脱却する
には、「いったん、テキストを離れる」ことも必要かもしれません。
テキストにはほぼすべての規定が記載されていますが、本試験においてテキスト
に記載されていることがすべて出題されることは有り得ませんので。
ちなみに・・・
きちんと学習を進めていれば、シンプルな規定は案外とインプットされている
ものです。で、あれば、それをより確実なものとするための反復をする際に、
テキストを利用すればよいでしょう。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
【対策その2】前年の選択式試験の出題対象に注意しましょう!
厚生年金保険法では、前年の選択式試験の出題対象が翌年の択一式試験
で出題される傾向があります。この辺りは過去問集をチェックすれば一目
瞭然ですから、しっかりと確認しておきましょう。
ただし、平成17年は厚生労働白書からの出題でしたので、それに関連する
事項ということになりますね。
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
それでは最後に、厚生年金保険法の「講師:栗澤の一押しポイント」ですが、
対策その2を受けて、
「国庫負担」
としたいと思います。
以前、選択式試験の出題予想でも触れましたが、厚生年金保険法の選択式試験は、
「費用の負担(保険料や積立金の運営、財政運営方式などを含む)」に関連する
出題が多いです。
「国庫負担」もその1つですし、平成16年改正では基礎年金拠出金の国庫負担
割合の引上げが行われるなど、注目する理由には事欠きません。
主だったものには、「基礎年金拠出金について国庫負担」や「経過措置」、「事務費
についての国庫負担」などがありますが、ほかにも「昭和36年4月前の被保険者
期間に係る保険給付に要する費用についての国庫負担」など、少し特殊な規定も
あります。多少細かい規定も含まれますが、規定そのものは至ってシンプルです
ので、しっかりと押さえておいて頂きたいポイントです。