週刊新潮2007年10月18日号が、今日(10月11日)発売。
特集【米軍基地を「人質」に取られた沖縄戦「集団自決」論争】(p136~139)を、さっそく読んだわけです。はじまりはこうでした。
「・・『福田政権は、膠着した米軍基地の移転問題を打開するためにも、教科書検定の見直しに、事実上、政治介入したということです』と話すのは、首相官邸関係者である。教科書検定は、有識者からなる『教科用図書検定調査審議会』で行われ、建前上は政治介入を排除している。しかし、9月29日、沖縄県宜野湾市の海浜公園で行われた『教科書検定意見撤回を求める県民大会』に11万人(主催者発表)が集ったことで、政府のスタンスは揺れた。・・」
まあ、こうして特集は書き始められておりました。11万人の数字についても、ちゃんと調べております。
「元はといえば、政府が抗議集会に11万人も参加したことに驚き、慌てて教科書検定への【政治介入】を決めたことに問題がある。その数字は主催者が発表したものだが、『まず、参加者が11万人もいたというのは、間違いなく嘘だと言えます』と語るのは、沖縄在住のジャーナリストの恵隆之介氏である。『会場となった宜野湾海浜公園には、人がぎっしり入ったとしても5万人が限度。ですから、当初は主催者も【5万人が目標】と言っていたのです。11万とは、肩車の上に肩車をしてようやく収まるような数字。県警によれば、密集したとしても1平方㍍に収まるのは4名くらい。航空写真から見てみると、会場には結構隙間がありました。日傘をさしている人や、敷物の上に座っている人がいたためです。我々の計測だと、参加者は3万5000人です』沖縄県警が内々に見積もった数字では約4万人。動員をかけられて、集会に参加した人達も大勢いる。『本土からの参加者も多数見られました。・・・』・・・・集会には何故が韓国からの参加者も少なからずいて、従軍慰安婦問題のビラを配っていたという。・・・主催者発表の数字を鵜呑みにして狼狽する政府も滑稽ではないか。」
ちょど朝日の古新聞を今日もらってきました。
さっそく9月30日の一面を見ますと、見出しが横に「集団自決 軍が関与」とあります。縦見出しは「沖縄11万人が訴え」。写真はといいますと、たとえば、東京新聞の一面が上空からの写真で空いたスペースや日傘のようすがわかるように取られておりますが、朝日は主催者側のステージから壇上の背中を写して背景に隙間なくビッシリとステージに向かって話を聞いている人たちを写しております。この角度からは人たちの頭がズラッと重なって見える壮観さ。
興味深いのは、前日の9月27日朝日第二社会欄。そこには「集団自決「軍が強制」削除」「反対議決 沖縄以外でも」という見出しのところです。ちゃんと日本地図が図入りで紹介されております。【検定意見の撤回を求める意見書を採択した議会】として、沖縄以外に5県が黒く斜線で塗りつぶされております。よく見ると笑える仕掛けがしてあります。たとえば、塗りつぶされている宮崎県では、1つの町(美郷町)だけです。しかも9月28日に本会議とあるから、いまだ採択されていない。ほかも県も似たり寄ったりという始末。沖縄の宜野湾市の大会は29日ですから、だれも詳しくなど読まないと見越してのトリックの日本図です。お膳立ての用意は整っておりました。私なら用意周到な確信犯としたいところです。
10月2日の朝日一面見出しは【「集団自決」検定。文部省が対応検討】とあり、
すかさず、主催者発表という言葉をカットして「9月29日に開かれた沖縄県民大会に11万人が参加したことから・・」と、もう朝日は人数を確定して、既成事実化の段階に入りっております。
あとは、10月3日一面コラム天声人語で「沖縄は怒った。抗議の県民大会は11万人でうねった。」と繰り返し、読者への刷り込みに余念がありません。ちなみに、この10月3日の産経抄が「関係者によると、参加者は最大で4万3000人だそうです。沖縄の警察は、主催者の反発を恐れてか事実を発表できないのです。・・」と書いておりました。このコラムの違いこそ、注意深くも、国語・社会科などをあわせた総合学科の教材としたいところであります。
こうして、産経新聞10月7日の一面で「沖縄教科書抗議集会参加者は【4万人強】」という見出しがでても、朝日がイチャモンをつけて、場外乱闘よろしくシラを切ればどうなるか。
週刊新潮10月18日号の「ワイド特集」の中の「2週間【コラムで罵り合い】朝日と産経の【ガキのケンカ】」という見出しの短文(p51~52)が、一般の受け止め方でしょうか。そこでは上智大学の田島泰彦教授の言葉を引用して「そもそも議論は、安倍政権の評価について始まりました。産経が途中から沖縄の集会を持ち出しましたが、論点を変えずに議論を深めてほしかったですね。・・朝日も、産経の揚げ足を取っているだけ。読者がこんな論争で満足すると思っているんでしょうか」。こうして田島教授の意見を引用しておもむろに「読者不在の、実に無意味な罵り合いだった」としめくくっております。おいおい、同じ週刊新潮ですら、記事によって、これですから、いったい他はどうなのでしょう。
もし、この問題が何年もして再燃した場合、朝日新聞が書く手順はわかっております。まず【各新聞が2007年9月30日に「沖縄11万人が訴え」と書いていた】と記載の事実を堂々と指摘するのです(しかも、その後の経過については、お茶を濁します)。現在朝日新聞は人数の訂正をしておらないでしょう。訂正もせずに、うやむやにしておくとよいことが朝日新聞にはあるのです。沖縄の11万人はまだまだ朝日新聞としては、使える数字なのです。しかも何年かたってから、皆さんが思いもしない頃を見計らって、その「11万人」論を展開するのです。私は予言してもよい。さりげなく数字が独り歩きする頃合を見計らったように、朝日の数字の魔術を、繰り返すのです。ですから、週刊新潮の記者のように、【ガキのケンカ】などと傍観者の語りをするべきではないのです。そんなことをしていると、11万人が、中国式に数倍に膨れ上がり、じつは22万人以上だったとか、まことしやかに某氏が語っていたという記事に化ける。そんな危険な要素を含んでいるのだと、認識しておくべきでしょう。考えても御覧なさい、朝日新聞購読者はいまだ11万人を訂正されておらないのです。
特集【米軍基地を「人質」に取られた沖縄戦「集団自決」論争】(p136~139)を、さっそく読んだわけです。はじまりはこうでした。
「・・『福田政権は、膠着した米軍基地の移転問題を打開するためにも、教科書検定の見直しに、事実上、政治介入したということです』と話すのは、首相官邸関係者である。教科書検定は、有識者からなる『教科用図書検定調査審議会』で行われ、建前上は政治介入を排除している。しかし、9月29日、沖縄県宜野湾市の海浜公園で行われた『教科書検定意見撤回を求める県民大会』に11万人(主催者発表)が集ったことで、政府のスタンスは揺れた。・・」
まあ、こうして特集は書き始められておりました。11万人の数字についても、ちゃんと調べております。
「元はといえば、政府が抗議集会に11万人も参加したことに驚き、慌てて教科書検定への【政治介入】を決めたことに問題がある。その数字は主催者が発表したものだが、『まず、参加者が11万人もいたというのは、間違いなく嘘だと言えます』と語るのは、沖縄在住のジャーナリストの恵隆之介氏である。『会場となった宜野湾海浜公園には、人がぎっしり入ったとしても5万人が限度。ですから、当初は主催者も【5万人が目標】と言っていたのです。11万とは、肩車の上に肩車をしてようやく収まるような数字。県警によれば、密集したとしても1平方㍍に収まるのは4名くらい。航空写真から見てみると、会場には結構隙間がありました。日傘をさしている人や、敷物の上に座っている人がいたためです。我々の計測だと、参加者は3万5000人です』沖縄県警が内々に見積もった数字では約4万人。動員をかけられて、集会に参加した人達も大勢いる。『本土からの参加者も多数見られました。・・・』・・・・集会には何故が韓国からの参加者も少なからずいて、従軍慰安婦問題のビラを配っていたという。・・・主催者発表の数字を鵜呑みにして狼狽する政府も滑稽ではないか。」
ちょど朝日の古新聞を今日もらってきました。
さっそく9月30日の一面を見ますと、見出しが横に「集団自決 軍が関与」とあります。縦見出しは「沖縄11万人が訴え」。写真はといいますと、たとえば、東京新聞の一面が上空からの写真で空いたスペースや日傘のようすがわかるように取られておりますが、朝日は主催者側のステージから壇上の背中を写して背景に隙間なくビッシリとステージに向かって話を聞いている人たちを写しております。この角度からは人たちの頭がズラッと重なって見える壮観さ。
興味深いのは、前日の9月27日朝日第二社会欄。そこには「集団自決「軍が強制」削除」「反対議決 沖縄以外でも」という見出しのところです。ちゃんと日本地図が図入りで紹介されております。【検定意見の撤回を求める意見書を採択した議会】として、沖縄以外に5県が黒く斜線で塗りつぶされております。よく見ると笑える仕掛けがしてあります。たとえば、塗りつぶされている宮崎県では、1つの町(美郷町)だけです。しかも9月28日に本会議とあるから、いまだ採択されていない。ほかも県も似たり寄ったりという始末。沖縄の宜野湾市の大会は29日ですから、だれも詳しくなど読まないと見越してのトリックの日本図です。お膳立ての用意は整っておりました。私なら用意周到な確信犯としたいところです。
10月2日の朝日一面見出しは【「集団自決」検定。文部省が対応検討】とあり、
すかさず、主催者発表という言葉をカットして「9月29日に開かれた沖縄県民大会に11万人が参加したことから・・」と、もう朝日は人数を確定して、既成事実化の段階に入りっております。
あとは、10月3日一面コラム天声人語で「沖縄は怒った。抗議の県民大会は11万人でうねった。」と繰り返し、読者への刷り込みに余念がありません。ちなみに、この10月3日の産経抄が「関係者によると、参加者は最大で4万3000人だそうです。沖縄の警察は、主催者の反発を恐れてか事実を発表できないのです。・・」と書いておりました。このコラムの違いこそ、注意深くも、国語・社会科などをあわせた総合学科の教材としたいところであります。
こうして、産経新聞10月7日の一面で「沖縄教科書抗議集会参加者は【4万人強】」という見出しがでても、朝日がイチャモンをつけて、場外乱闘よろしくシラを切ればどうなるか。
週刊新潮10月18日号の「ワイド特集」の中の「2週間【コラムで罵り合い】朝日と産経の【ガキのケンカ】」という見出しの短文(p51~52)が、一般の受け止め方でしょうか。そこでは上智大学の田島泰彦教授の言葉を引用して「そもそも議論は、安倍政権の評価について始まりました。産経が途中から沖縄の集会を持ち出しましたが、論点を変えずに議論を深めてほしかったですね。・・朝日も、産経の揚げ足を取っているだけ。読者がこんな論争で満足すると思っているんでしょうか」。こうして田島教授の意見を引用しておもむろに「読者不在の、実に無意味な罵り合いだった」としめくくっております。おいおい、同じ週刊新潮ですら、記事によって、これですから、いったい他はどうなのでしょう。
もし、この問題が何年もして再燃した場合、朝日新聞が書く手順はわかっております。まず【各新聞が2007年9月30日に「沖縄11万人が訴え」と書いていた】と記載の事実を堂々と指摘するのです(しかも、その後の経過については、お茶を濁します)。現在朝日新聞は人数の訂正をしておらないでしょう。訂正もせずに、うやむやにしておくとよいことが朝日新聞にはあるのです。沖縄の11万人はまだまだ朝日新聞としては、使える数字なのです。しかも何年かたってから、皆さんが思いもしない頃を見計らって、その「11万人」論を展開するのです。私は予言してもよい。さりげなく数字が独り歩きする頃合を見計らったように、朝日の数字の魔術を、繰り返すのです。ですから、週刊新潮の記者のように、【ガキのケンカ】などと傍観者の語りをするべきではないのです。そんなことをしていると、11万人が、中国式に数倍に膨れ上がり、じつは22万人以上だったとか、まことしやかに某氏が語っていたという記事に化ける。そんな危険な要素を含んでいるのだと、認識しておくべきでしょう。考えても御覧なさい、朝日新聞購読者はいまだ11万人を訂正されておらないのです。