題名しか知らなかった阿部謹也著「ハーメルンの笛吹き男」を、どういうわけか、この機会に読んでみました。最後の方にこんな箇所があります。
「どのような土地にも、自然的・人為的災害が絶えることはなく、どこにおいても庶民の苦しみに対して当局は無為無策であり、無名の英雄によって庶民の苦しみの根源が除去されても、当局はそのような英雄を正しく処遇せず、往々にしてむしろ断罪し、その結果生ずる災難もすべて結局は庶民が担わねばならない。しかも大人の世界で営まれるこうした醜悪な所業の責任をとらされるのは、しばしばいとけない子供たちである。このような『現実』を人々が日々味わわされている限り、この伝説は全世界の人々に訴えかけてゆく力をもっていた。」(平凡社単行本・p197)
二日かけて読みました。うん。読んでよかった。
「どのような土地にも、自然的・人為的災害が絶えることはなく、どこにおいても庶民の苦しみに対して当局は無為無策であり、無名の英雄によって庶民の苦しみの根源が除去されても、当局はそのような英雄を正しく処遇せず、往々にしてむしろ断罪し、その結果生ずる災難もすべて結局は庶民が担わねばならない。しかも大人の世界で営まれるこうした醜悪な所業の責任をとらされるのは、しばしばいとけない子供たちである。このような『現実』を人々が日々味わわされている限り、この伝説は全世界の人々に訴えかけてゆく力をもっていた。」(平凡社単行本・p197)
二日かけて読みました。うん。読んでよかった。