和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

身につける。

2011-08-21 | 短文紹介
猪瀬直樹著「言葉の力」(中公新書ラクレ)を再読。
といっても、線を引いた箇所や、付箋の箇所を見直すともなく開く程度。
そこで、
PISA「国際的学習到達度調査」というテストのことが取り上げられておりました。
それについて、
「PISAはいずれ、英語のTOEICと同じように、グローバルスタンダードになる。問題は、日本人がなぜこのテストに弱いかということ。アメリカも誤答率は日本を同じ程度だが、無答率が日本より低い。アメリカ人は思いつきでもなんでも書く。日本人は困ると白紙回答。問題はそこだ。・・・読解力以前に自分の考えを示す力も問われているのだが、日本人は説明をするということが下手だ。『××が好き』と述べる場合、『なぜですか』と問われると、日本人は『好きだから』と理由にならないことを平気で言う。根拠を挙げず、あいまいな説明しかできないから、何を言っているのか伝わらない。」(p56~60)

そして、p65に
「PISAのような、ヨーロッパ型の言語技術を身につける教育をしながら、俳句や短歌のような日本語のリズムにもとづいた言語技術も学ぶ必要があるのだ。両方をきちんと身につけると、日本人は言葉の力で優位に立つことができると思う。」

さてっと、この本では、それ以降に「俳句や短歌」への言及はない。
けれども、これだけの指摘でも、印象には残ります。
「両方をきちんと身につける」ためには、どうしたらよいか。
という、次の行をさがしに。


老いてなほ稽古大事や謡初(うたいぞめ) 高浜虚子


うん。年齢は、この際関係ないですよね。
コメント
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