和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

地元の古老が大声で。

2012-07-17 | 短文紹介
片田敏孝著「命を守る教育」(PHP)を読む。

命を守るための三原則が読みどころです。
ここでは、
ひとつだけ引用。

「人間は危険を知らせる情報がもたらされるとき、ひとつめの情報は無視して様子見をしますが、ふたつめの情報がもたらされると危険を察知します。非常ベルが鳴ったとき、誰かが『逃げろ!』と叫んだことをきっかけに全員が一斉に非常口に向かうというケースがあります。」(p78)

「唐丹小学校のケースもあります。唐丹小学校は、唐丹湾に面した防潮堤のすぐ横にある文字通り海抜ゼロメートルの学校です。地震が起こったとき、学校では、まず子どもたちを校庭に集合させ、点呼を取ろうとしました。学校としてはどこかで児童全員が避難できているか点呼を取る必要があるからです。先生方がこの時点で持っている情報は、予想高さ三メートルの津波というものでした。三メートルなら、防潮堤を越えることはありません。しかし、点呼を取ろうとしたとき、地元の古老が大声で、『何をやっているんだ! 津波がくるぞ、早く逃げろ』と叫んだそうです。その声に、先生方が触発されて、すぐに小学校六年生を先頭に、急な斜面を登って高台の道路に避難し、全員助かりました。ここで特筆すべきは、古老の一声が避難を誘導するきっかけとなったこと、先生方が日ごろの訓練により、緊急時には、小さな子どもからではなく、足の速い高学年から避難させたことです。」(p80~81)

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