和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

「許せない」と。

2013-09-05 | 短文紹介
「編集者 齋藤十一」(冬花社)に
亀井龍夫氏の追悼文があり、そこから引用。

「齋藤さんがタイトルを大切になさっていたことは、あまり知られてはいないことかもしれない。『週刊新潮』の編集長が野平健一になっても、そのあとの山田彦彌になっても、毎週の特集のタイトル四本か五本は、すべて齋藤さんがご自分で付けられていた。特集だけはゲラもお読みになっていたと思う。そして、すべての作業が終わったあとの三十分間ぐらいを使ってタイトルをつくられた。
うまかった。読んでみたいと思わされるタイトルだった。・・・・特集の書かれている内容よりタイトルの方がセンスがあった。」(p86)

さてっと、
新潮新書の新刊に
徳岡孝夫著「人間の浅知恵」が出ておりました。
徳岡孝夫とあれば、さっそく購入。

ところで、この新書、雑誌に連載された文を一冊に
まとめたもので、新書の最後の方に、
雑誌掲載時の、題名と日付がついてます。
面白いのは、
この新書の各文の目次題名と、雑誌掲載時の題名とが微妙に違う。
そこを比較するのも、この新書の楽しみのひとつ。

ここでは、ひとつだけ引用。
この新書の最後の文。

新書目次の題名は、「鳩山由紀夫と三島由紀夫」。
雑誌掲載時題名は、「友愛より母の愛 鳩山家の浮世離れ観」。

あなたなら、どちらに惹かれますか?

うん。ここでは、徳岡氏の文が魅力なので
ちょこっと、最後の方を引用しておきます。

「・・新聞によっては20億とも数えている、そういう大金が、お母様から由紀夫の秘書つまり執事に渡っていた。・・・鳩山内閣は口先やパフォーマンスは達者だが、浅慮の内閣である。まず言う。鳩山自身、記者に『秘書の罪は国会議員の罪だ』と言って・・・不思議なのは国民の反応である。麻生首相が一日の仕事を終えてホテルのバーで一杯やるのを『許せない』と怒った民の60%以上が、鳩山家の坊っちゃんを支持している。人気を保ち、小沢に『よし』と言わせ、お母様にも喜んでいただく。・・・」(2010年1月)
コメント
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