和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

一高教官室。

2013-09-09 | 短文紹介
古蹊堂書店(福岡県遠賀郡岡垣町)
林健太郎著「歴史からの警告」(中公文庫)
600円+送料210円=810円
これが今日ポストに届く。

以前に古本屋で購入しておいた本に

会社・がらんどう(安城市住吉町)
林健太郎著「移りゆくものの影」(文芸春秋社)
800円+送料200円=1000円

がありました。この本に
「自由の孤城に住みて」という文があります。
はじまりは、
「昨年末『文藝春秋』で竹山道雄氏と『良識は反動ではない』という対談を行った所、幸いに相当の反響があってしかもかなり好評であった。・・・しかし・・・『竹山道雄は反動だ』というささやきがまた聞えているようである。・・・竹山さん御自身は今更反動呼ばわりされたからとて別に何とも思われないであろうが、人の議論をまともに聴こうともせず、また聴くことを妨げようとする人が多いことは残念に思われるであろう。」(p75~76)

この一文は、一高教官室がメーンになっているような回想となっており、安倍校長はじめ、さまざまな方が登場しております。一箇所だけ引用。

「故三谷隆正先生は亀井(高孝)先生と共に私が生徒の時最もお世話になった先生であるが、先生はよく、世間には本がたくさんあり過ぎるからつまらない本を読んでいてはきりがない。何でもよいから何か根本的なものをしっかり読むことだと言われた。先生の書かれた本の中に、『日本の大学教授は学問のブローカーである。次から次へと外国の新しいものを追っかけまわしてそれを紹介するが、自分のものは何も持っていない』という言葉がある。温厚な先生にしては大へん辛辣な言葉だが、これはたしかに的を射ている。・・・・一高の先生方はこの三谷先生のような気迫と自負とを持っておられたように思う。学問というものは本当に自分のためにするのであって、それを切売りするためにするのではない。・・・我々はいつも真物と偽物とを区別する眼と、自分の心の内奥の一番大事なものを固く守ってゆく誠実さとを養って行かなければならない。そういうことを、少なくとも私に教えてくれたのはこの一高教官室であった。しかしそのことに、当時私ははっきり気づいていたわけではない。ただ今から顧みてそうだったと思うのである。」(p101)

ちなみに、
この「移りゆくものの影」は、
昭和35年に出版されたもので「まえがき」は
こうはじまっておりました。
「昨年の4月から9月まで、中一回おいて文芸春秋に連載した5つの文章を集め、それに更に80枚位を書き足したのが本書である。」

この古本は購入時に、鉛筆で書き込みがありました。
本の最後にある書き込みは

「1960・3・15 
一度文春で読んだもの。
又読みなおしてみても、なかなか気持ちのよい本。」

前の持主のメッセージ(笑)。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする