和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

信号旗のように。

2014-11-11 | 詩歌
本棚から竹中郁少年詩集
「子ども闘牛士」(理論社・1999年)をとりだしたので、
あらためて、読み返してみる。

どんな詩集かって、聞かれたら、
たとえば、「地上の星」と題する詩が
載っていたりするよ。とでも答えましょう。

その「地上の星」の最初の2行は

「 こちらで振る
  踏切番(ふみきりばん)の白いランプ 」


巻末に「竹中先生について」と題して
足立巻一氏が書いておりました。
そこから、
この詩集の絵について触れた箇所を引用。

「絵はすべて竹中先生が描いたものです。・・
先生は絵がお得意で、ハガキにはかならず絵を
描いて出されましたが、ことにお孫さんには
そんな絵はがきをたくさん送っていられました。
大部分はその絵はがきを借りたのです。」(p158)

せっかくですから
この詩集に載せられた
お孫さんへの絵はがき。

「 おはがき有がとう
『すごくきれいでしたね』というのはおかしい
『すごい』ということばを字典で引いてごらん
『大へんきれいでしたね』とか『ひじょうにきれい
でしたとかいう方が正しくてよろしい
  ×
こんどのときは何を御馳走(ごちそう)しましょうか」
(p131)

この絵はがきには「つなわたり」の絵が
ササッと引かれて描かれておりました。



最後に、「若い水夫」と題した詩の
はじまりの3行。

「 友よ 帆綱(ほづな)をたぐれ
  その白い翼のような帆を張ってみせてくれ
  ぼくのこころは信号旗のようにさっとあがろう」


うん。これだけで、詩集を紹介したことに
ならないだろうけれど、こういう詩集もあります。
ということは、知っておいてほしい(笑)。
コメント (2)
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