大修館書店の「漢字文化を考える」が届く。
古本屋は
史録書房(練馬区西大泉)
800円+送料300円=1100円
うん。講演録の活字化のようです。
最初にある、山本七平氏の2回の講演を読む。
印象に残ったのはこの箇所
「天正遣欧使節がヨーロッパに行きまして、
それを案内したのがヴァリニャーノという司祭
ですけれども、これは巡察師と言って、
日本におけるキリシタン宣教師のトップの人です。
彼は日本に帰って・・印刷機を持ってきたのです。
それで、天草でこれを据えつけまして、いわゆる
天草版という出版を始めました。・・・
この中で一番面白いのが天草版『平家物語』です。
それから、日本語に訳されて割合に普及いたしました
『伊曾保物語』、これはイソップです。これを
日本語に訳した人が不干斎・ハビアンという
日本人のキリシタンで、同時に天草版『平家物語』を
作ったのも、序文の最後を見るとハビアンであります。」
「不干斎・ハビアンの問答体『平家物語』です。
これをずっと読んでまいりますと、大原御幸まで
全部入っていまして(随分省略されていますけれども)、
いろいろな問題が出てきます。これを見ますと、
非常に強調されているのが、日本人というのは恩を
忘れてはいけない、恩を忘れるとろくなことがない
ということです。・・さらに面白いのが、恩を施した
からといって、それは権利ではないということです。
おれはこれだけお前に恩を施したから、これだけの
ことをお前はやる義務がるという要求は一切できない
というのであります。これはおそらく彼から
見ると、非常に不思議な社会なので、その点に
強調点がいったのだろうと思います。これは
恩を受ける受恩の義務というのは非常に強く
主張するけれども、恩を施恩の権利というものは
一切認めないという形になっているわけです。
・ ・・・これは、ハビアンなどが、彼らは権利と
義務というのが非常にはっきりした社会ですから、
それを見ていまして、自分たちの違いというのを、
そこに見たのではないかと思うのです。・・・・
これは本当に東西の文化の交流の始まりでした。」
(~p63)
うん。こうして受恩と施恩のことを
とりあげてみると、どういうわけだか、
先頃亡くなった高倉健さんの座右の銘を
思い浮かべます。
11月19日の新聞記事に
「事務所によると、
『往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし』
は高倉さんが生前、天台宗の僧侶からもらった
言葉で、本人が大事にしていたという。」
産経新聞の同日の追悼評伝
「古き良き日本人の体現者」のはじまりは
「日本映画が生んだ最後の大物スターが
逝った。寡黙で、折り目正しく、ストイックで
情に厚い・・・。役の上でもプライベートでも、
古き良き日本人の体現者だったと思う。
昨年秋に文化勲章を受章したとき、
こんなコメントを発表した。
『今後も、この国に生まれて良かったと
思える人物像を演じられるよう、人生を
愛する心、感動する心を養い続けたいと
思います』 」(田中宏子)
古本屋は
史録書房(練馬区西大泉)
800円+送料300円=1100円
うん。講演録の活字化のようです。
最初にある、山本七平氏の2回の講演を読む。
印象に残ったのはこの箇所
「天正遣欧使節がヨーロッパに行きまして、
それを案内したのがヴァリニャーノという司祭
ですけれども、これは巡察師と言って、
日本におけるキリシタン宣教師のトップの人です。
彼は日本に帰って・・印刷機を持ってきたのです。
それで、天草でこれを据えつけまして、いわゆる
天草版という出版を始めました。・・・
この中で一番面白いのが天草版『平家物語』です。
それから、日本語に訳されて割合に普及いたしました
『伊曾保物語』、これはイソップです。これを
日本語に訳した人が不干斎・ハビアンという
日本人のキリシタンで、同時に天草版『平家物語』を
作ったのも、序文の最後を見るとハビアンであります。」
「不干斎・ハビアンの問答体『平家物語』です。
これをずっと読んでまいりますと、大原御幸まで
全部入っていまして(随分省略されていますけれども)、
いろいろな問題が出てきます。これを見ますと、
非常に強調されているのが、日本人というのは恩を
忘れてはいけない、恩を忘れるとろくなことがない
ということです。・・さらに面白いのが、恩を施した
からといって、それは権利ではないということです。
おれはこれだけお前に恩を施したから、これだけの
ことをお前はやる義務がるという要求は一切できない
というのであります。これはおそらく彼から
見ると、非常に不思議な社会なので、その点に
強調点がいったのだろうと思います。これは
恩を受ける受恩の義務というのは非常に強く
主張するけれども、恩を施恩の権利というものは
一切認めないという形になっているわけです。
・ ・・・これは、ハビアンなどが、彼らは権利と
義務というのが非常にはっきりした社会ですから、
それを見ていまして、自分たちの違いというのを、
そこに見たのではないかと思うのです。・・・・
これは本当に東西の文化の交流の始まりでした。」
(~p63)
うん。こうして受恩と施恩のことを
とりあげてみると、どういうわけだか、
先頃亡くなった高倉健さんの座右の銘を
思い浮かべます。
11月19日の新聞記事に
「事務所によると、
『往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし』
は高倉さんが生前、天台宗の僧侶からもらった
言葉で、本人が大事にしていたという。」
産経新聞の同日の追悼評伝
「古き良き日本人の体現者」のはじまりは
「日本映画が生んだ最後の大物スターが
逝った。寡黙で、折り目正しく、ストイックで
情に厚い・・・。役の上でもプライベートでも、
古き良き日本人の体現者だったと思う。
昨年秋に文化勲章を受章したとき、
こんなコメントを発表した。
『今後も、この国に生まれて良かったと
思える人物像を演じられるよう、人生を
愛する心、感動する心を養い続けたいと
思います』 」(田中宏子)