集英社の「わたしの古典⑳」は
「岩橋邦枝の誹風柳多留」(1987年)でした。
その序章のはじまりを引用。
「川柳は、18世紀後半の江戸ではじまった庶民文芸である。
・・・・・・中から、現代の私たちにもなじみ深い一句を
まず挙げてみよう。
孝行のしたい時分に親はなし
いまでは格言で通用するほど、日本人の生活にとけこんだ
句になっている。またたとえば、俗によく使われる
目は口ほどにものを言い
川の字に寝る
知らぬは亭主ばかりなり
なども、出典は『柳多留』や同じ江戸生まれの川柳集である。
こうして垣間見ただけでもうかがえるとおり、『柳多留』に
はじまった川柳には、時代の移り変わりを越えて万人の共感や
笑いをさそう人間臭さが横溢している。・・・・」
ちなみに、本のはじまりの「わたしと『誹風柳多留』」には
こんな箇所がありました。
「じっさいに『誹風柳多留』の句にふれてみることである。
敬遠していたのでは、面白さもわからない。じつは私も、
学生時代には敬遠派の一人だった。だが、熱心な友人に
手引きされて句を拾い読みするうちに、作者たちや
編者呉陵軒可有(ごりょうけんあるべし)にも関心が生じ、
句の作者を想像してみたり作者といっしょにあそびながら
読んだりするたのしみをおぼえた。・・・・」
はい。楽しそうですが、私のパラパラ読み紹介はここまで(笑)。