和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

古典と女性。

2020-10-05 | 本棚並べ
源氏物語にしても、枕草子にしても、女性が作者でした。
ひょっとすると、日本の古典では、女性との相性がよい。
という視点もあるかもしれません。

はい。集英社の「わたしの古典」全22巻は、女性による
古典の訳で、まとまっております。その1巻目は
「田辺聖子の古事記」(1986年)でした。
のちに、集英社文庫にも、このシリーズは入ったようです。
それはそうと、この1巻目の序章で田辺聖子さんは
こう指摘しておりました。

「それにしても、これを朗誦した稗田阿礼はどんな人だったのだろう。
今までは阿礼は男性と思われていたが、近来の研究では、
『宮廷の祭儀に仕えた巫女』ではないかともいわれる
(小学館「日本古典文学全集・古事記」荻原浅男氏)。

また『古事記』は天武天皇の意を受けた持統天皇・元明天皇らの
女帝が、後宮で撰進(せんしん)せしめたとする説もあり
(「古事記」が男性の手による一切の公的記録から省かれ、
黙殺されているのも、暗示的である)、もしそうとすれば、
『古事記』の持つふしぎな要素が、納得できる気もする。
『古事記』の登場人物たちは、本能のままに生きる自然児である。
・・・生(き)のままの古代日本を語るには、男性よりも、
本音をいうに抵抗感のない女性たちが適していたかもしれない。」
(単行本p16~17)


そうとするなら、日本の古典を、女性たちが現代語訳するのは
的を射ている企画だったと思えてくるじゃありませんか。
集英社の「わたしの古典」全22巻は、
古本でセットが、5090円+送料1080円=6170円。
一冊にすると280円ナリ。

どうしたかというと、私は注文しました。
はい。そういうわけで、しばらくは
このシリーズのまえがき・あとがきの紹介となります。

コメント (2)
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