古本で「有馬敲全詩集」(沖積社・2010年)を購入。
栞がはさまっており、栞には3人の方の文が載っていました。
杉山平一・中川五郎・水内喜久雄の3名の紹介文。
ここには、中川五郎氏の文から引用。
うん。はじまりから引用してみます。
「1960年代半ばから後半にかけて、アメリカのフォーク・ソングが
日本でもて囃されるようになった。最初は大学生が中心になって
そのかたちだけを真似、英語で歌ったりしていたが、そのうち
外側ではなく中身をと、人々の暮らしや時代のありようを歌う
アメリカのフォーク・ソングの精神を学び取り、日本語で自分たち
の歌を歌う日本のフォーク・シンガーたちが登場して来た。
どういうわけか、そういう人たちは関西に多くいて、
いまでもスタイルにこだわり英語で歌い続ける東京の
フォーク・シンガーたちに対して、日本語で自分たちの
フォーク・ソングを歌おうとする彼らのことは、いつしか
『関西フォーク』と呼ばれるようになった。
この『関西フォーク』にとって幸福だったのは、
その動きを担ったのがミュージシャンだけでなく、
詩人たちも積極的に関わってくれたことだった。
とはいえそんな詩人は少数派で、紙の上の言葉の
美しさだけをひたすら追求するタイプの多くの詩人たちは、
つたない歌詞で世の中のできごとやそれぞれの心のうちを
ストレートに歌うフォーク・ソングを、あまりにも
幼稚すぎると、歯牙にも掛けようとしなかった。
しかし少数派の詩人たちは、言いたいことがあれば
『しろうと』でも自分たちの言葉で表現できるという
フォーク・ソングの面白さや柔軟さを鋭く見抜き、
自分たちの研ぎ澄まされた言葉や表現方法、創作の知恵など
をふんだんに差し出しながら、その動きに深く関わってくれた。
そのひとりが有馬敲さんだった。・・・・」
はい。もう半分も引用してしまいました。
ちなみに、有馬さんは1931年京都府生まれ。
つぎに、水内さんの紹介文からも、すこし引用。
「読んでいくと、現代詩・子ども向けの詩・パロディ・
わらべうた・ことばあそび・替歌など多彩であり、
あらゆるジャンルの詩をたくさん書かれています。
そして、それらをいろんな言葉を遣って書いておられます。
共通語・京言葉、最近では生活語という言葉を遣われており・・・」
さてっと、この全詩集はというと、
函入でした。上下二段組。全2179ページ。
多すぎて二冊にわけて、一つの函におさまっておりました。
定価は2万円+税。これが古本で2000円でした。
値段で買わせていただきました。
うん。はじめて読むと思います。