和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

「ふるさと」の「中学生」。

2022-12-23 | 三題噺
3冊の本

① 大村はま著「新編教えるということ」(ちくま学芸文庫)
② 岡康道・小田嶋隆「いつだって僕たちは途上にいる」(講談社)
③ 猪瀬直樹著「唱歌誕生」(中公文庫)
      この文庫の副題は「ふるさとを創った男」とあります。


はい。この順に、中学生の箇所を引用してゆきます。

① 戦後の昭和22年に、新制中学校が発足します。
  その際に、大村はまは、どうしたか?

「 戦前、私は・・都立八潮高校(当時、府立第八高女)におりました。
  十年も勤続しておりました・・・・・・

  そして昭和22年、新制中学校が発足しました。・・・・
  新しい時代の建設のために作られた六・三制の、
  海のものとも山のものともわからない中学校・・へ出ました。
  何か新しい時代を作る人を育てる仕事に身を投げいれて、
  どんな苦労もいとわないと思ったのです。・・最初から捨て身でした。」
                    ( p44~45 )

② 二人の対談なのですが、進行役が、こう語ります。

 ――・・岡さんも小田嶋さんも中二病だということが分かりましたね。

岡・小田嶋  え・・・そうですか?

 ―― 自分が中二病だという自覚はありました?

岡】 まあ、言われてみればそうですよね。
   いや、何となくありますよ。

小田嶋】 だから、だいたいあるところで成長が止まった部分って、
     それは本当に直らないよ。

岡】  直らないよね。

小田嶋】 ちゃんと組織で揉まれた人間は、そこのところは
     角が取れていくのかもしれないけど、

     そこを嫌だ、と言って俺も岡も組織から出ちゃった
     人なわけだから、その中二的な変な角がちょこちょこ、
     ちょこちょこ出るわけでしょう。

岡】   取れないですよ。

          ・・・・・        ( p98~99 )



③ この文庫の最後に、
  長野の中学校五十周年記念講演( 1996年10月12日 )が
  載っておりました。その最後を引用。

「たまたま僕の知り合いで、新潟県出身の新井満という作家がいますが、
 彼の娘さんがロンドンに留学したら、
 自分で一人で夜中に『故郷(ふるさと)』を歌ったというのです。

 これから皆さんも東京に行ったり、あるいは外国に行くかもしれませんが、
 この歌が大きな支えとなると思います。それはなぜかというと、

 『いつの日にか 帰らん』ということもそうですが、
 『夢は今もめぐりて』も大切です。その『夢』というのは何か。
 『ふるさと』というのは何か。

 それは場所ではないんです。
 長野はふるさとなんだけれども、
 結局ふるさとというのは、自分のふるさとというのは、
 
 中学生くらいのころのことなんです。
 小学校から中学、高校くらい。特に中学くらい。

 つまりそのころ考えた夢のありか。
 それがふるさとなんです。

 だから空間だけではないんです。空間もそうなんだけれど、
 時間の中にふるさとはあるんです。

 これからあと、十年、二十年、三十年と歳をとっていきます。
 その時どんなことを考えたか、どんな夢を抱いたかということです。

 その場所に必ず戻っていきますから、
 そういう意味でこの歌をもう一度思い出してみてください。
 たぶん高校に入ったらあまり歌わなくなると思いますが、
 いずれ外国に行ったり、遠くに行ったりしたときに、
 中学生の時にいったい何を考えていたんだろうなあ
 という時に歌うといいと思います。        」( p310 )


はい。この三冊から、中学生を取りだしてみました。 



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