山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ヒメバラモミ (マツ科 ) Picea maximowiczii Regel ex Carrière

2022年08月21日 | 樹木類
山地帯上部~亜高山帯下部の林中に生育する常緑針葉高木である。幹の高さ25 ~ 35m、径 50 ~ 80㎝になる。樹皮は灰褐色でやや厚く、古くなると不揃いな鱗片状にはげ落ちる。若い枝は黄褐色ないし赤褐色で、葉は線形で長さ10 ~ 13㎜、横断面は菱形をしていて、4面に白い気孔帯がある。球果は 3 ~ 6㎝でトウヒ属の中では最も小さい。良く似たアズサバラモミは球果はが7 ~ 9㎝とやや大きく、葉もやや長いが、個体変異があって両者の分類には難しいものがある。八ケ岳、仙丈ケ岳、奥秩父に生育しているが自生地は限られていて個体数も少ない。北杜市では天然記念物として公開している場所がある。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)

    旧大泉村の天然木難物として公開されているヒメバラモミ

    右がヒメバラモミ、左はハリギリ。2022年3月に撮影。

    ヒメバラモミ。上部に固まって葉枝が付いている。

    下から見上げるヒメバラモミ。枝は真直ぐに横に伸びる。

    樹皮は灰褐色で不揃いな鱗片が付着し、剥げ落ちる。

    ヒメバラモミの枝

    葉枕はあまり高くならない。葉はやや湾曲して付く。葉の4面に気孔帯が付く。

    先端部の葉は先が先が尖り、触ると痛い。

    ヒメバラモミの球果。トウヒ属の中では最も小さい。

    10円玉よりも少し大きいくらいの大きさ。





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ヤツガタケトウヒ (マツ科 ) Picea koyamae Shiras.

2022年08月21日 | 樹木類
 亜高山帯の針葉樹林に生育する常緑針葉高木である。幹の高さ20m、径30~50㎝ぐらいになる。樹皮は灰褐色で鱗片状に薄くはがれ落ちる。葉は線形長さ6 ~ 12㎜で、断面は四角形、葉枕が良く発達する。球果はずんぐり形からやや長形の円筒形で先端部がやや尖る。雌雄同株で、花期は 5 ~ 6月、下向きに球果を付ける。八ヶ岳周辺に生育しており個体数は少ない。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR)  2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR)  2017:環境省カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN)


    ヤツガタケトウヒ 2022年4月 八ヶ岳で撮影  葉枝は上部に固まり円錐形になる。


    枝は下向き弓なりに出る。


    若い枝は褐色または赤みのある褐色。


    葉枝の境目の部分。幹は灰褐色で鱗片が剥げ落ちる。


    幹の太い部分。灰褐色で鱗片が剥げ落ちる。


    枝先の部分。葉枕が発達し、葉は垂直に出る。葉には縦方向に線状に気孔帯が並ぶ。


    球果は細長く、先端部がやや尖る。


    10円玉との大きさの比較

 ⇒山梨県絶滅危惧の樹木類一覧

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

 ⇒山梨県2018年版レッドリストの植物


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