山地帯上部~亜高山帯下部の林中に生育する常緑針葉高木である。幹の高さ25 ~ 35m、径 50 ~ 80㎝になる。樹皮は灰褐色でやや厚く、古くなると不揃いな鱗片状にはげ落ちる。若い枝は黄褐色ないし赤褐色で、葉は線形で長さ10 ~ 13㎜、横断面は菱形をしていて、4面に白い気孔帯がある。球果は 3 ~ 6㎝でトウヒ属の中では最も小さい。良く似たアズサバラモミは球果はが7 ~ 9㎝とやや大きく、葉もやや長いが、個体変異があって両者の分類には難しいものがある。八ケ岳、仙丈ケ岳、奥秩父に生育しているが自生地は限られていて個体数も少ない。北杜市では天然記念物として公開している場所がある。
2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
旧大泉村の天然木難物として公開されているヒメバラモミ
右がヒメバラモミ、左はハリギリ。2022年3月に撮影。
ヒメバラモミ。上部に固まって葉枝が付いている。
下から見上げるヒメバラモミ。枝は真直ぐに横に伸びる。
樹皮は灰褐色で不揃いな鱗片が付着し、剥げ落ちる。
ヒメバラモミの枝
葉枕はあまり高くならない。葉はやや湾曲して付く。葉の4面に気孔帯が付く。
先端部の葉は先が先が尖り、触ると痛い。
ヒメバラモミの球果。トウヒ属の中では最も小さい。
10円玉よりも少し大きいくらいの大きさ。