山地帯の岩場やガレ場を好んで生育する落葉低木である。名前は明治時代に日光でこの樹を発見した白井光太郎教授の名にちなんで名付けられた。高さ20㎝~1mくらいだが、2mになるものもある。枝は横に這う形が多いが株立ちするものもある。新枝は細くて密集し黄褐色で先端部はやや垂れ下がる。古い枝は少し赤味がある。葉は対生し、卵状披針形で表面には光沢があり、裏面は粉状に白っぽい。葉の基部は浅い心形ないしはハート形。枝の基部に付く葉の裏側には軟毛が生えている。雌雄異株で4~5月ごろに葉の展開と同時に開花する。山梨県が分布の南限となり、奥秩父山系や御坂山系に生育している。
2018年山梨県カテゴリー: 絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017:環境省カテゴリー:なし

シライヤナギ 2022年4月 茅ヶ岳で撮影

この場所では崖のような岩場を好んで生育している。

シライヤナギの雌株。葉はコマイワヤナギに比べて幅が広いと言われているがこの個体ではむしろ狭く見える。

雌雄異株でこれは雄花

雄花の拡大

こちらが雌花

2022年5月 十二ヶ岳で撮影したシライヤナギと思わしきもの。

葉はまだ十分に展開していない。

同じく十二ヶ岳で撮影したもの。

葉に光沢があり幅が広い。シライヤナギと思われる。
コマイワヤナギとシライヤナギの区別は難しいのだが、さらにもう1種類チチブイワヤナギという種があることが分かってきた。茅ヶ岳や御坂山系ではこのチチブイワヤナギも混在しており、混乱している。さらに詳しく調査が必要であろうと思う。
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山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~
⇒山梨県2018年版レッドリストの植物