おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

今朝の折り込み広告、受験狂走曲

2005-02-18 20:14:12 | 教育
朝飯を食べながら折り込み広告を何となく見ていた。
 相変わらずマンションの宣伝が多い。きれいなレイアウトで現実の風景と出来上がりの建物とをCGで描き、なかなか見事。ひと頃よりも価格が下がり、購入にはお手頃な物件になったのかなとも思ったりもした。
 さて、そうしたたくさんのビラの中で、最近特に目立つのは、塾や予備校の宣伝だ。私立中学や高校の合格発表も終わり、残るは、公立高校。いきおい、これまでの成果を学校別に数字を並べ、合格者の笑顔の写真やコメントも掲載している。
 小学校の子どもの顔が、実名入りで載っているのを見ると、昨今の物騒な世の中でこれで大丈夫なのという心配すらしてしまう。御三家(小生にはよくわからないが)何名、早・慶何名と成果を誇らしげに掲げ、ひたすら次の子どもたち獲得のための宣伝にあい努めている。
 大学は国公立はまだだし、早・慶も発表待ちのようなので、まだまだ掲載はされていない。しかし、もう私立中高入試はオシマイ、また、来年に向かって生徒集めから始まる塾。
 中でも、気になったのは、都立の中高一貫校。今年は、白鴎高校の附属中学が全都で始めて入試を行った。来年は、4校が同時に開校するとのこと。塾側もその対策を大いに宣伝している。
 ちなみに、今度の白鴎中学校では、今の歴史教科書を「自虐史観」だと批判する、「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教科書を採択した(来年開校の4校もそうなるのかどうか気にはなるが)。東京都の教育委員会において。多数決でもって。
 ところで、私立の中学入試は、学力検査が実施できるが、公立中学ということで、それが出来ないらしい。私立はよくて公立はダメってなんだか変だけれども。そこで、適性検査なるものを行うことに。白鴎中学でもそうした方法で採点し合否を決定した。内容は、学力検査ともつかず一般的な知識を尋ねたともいえぬ、なんとも中途半端なものであった。
 都立中学入試で最も興味を引くのは、一般入試の他に、特別選考枠というのがあって、それには、漢字検定や算数検定(数学検定?)、実用英語検定で2級とか準2級とかを持った者は、一般試験とは別枠で優遇されるというきまりになっていることだ。
 勿論、倍率が高ければ、合格者を選ぶための書類選考や面接などは行われる。白鴎中では、特別枠には、他にも囲碁・将棋に秀でた者や日本舞踊とか琴・三味線などに秀でた者も、特別に選考試験を受けることが出来たらしい。
 後者の日本の伝統芸能は、囲碁も将棋も含め、一朝一夕に小学生6年生が身につけられるものではない。それなりの小さい頃からの本人の才能やたゆまない精進が必要となる。ある意味では、特別選考の意味もあろう。立派な広告塔の役目を果たす? 「天才少年が学ぶ学校」「家元の子どもが学ぶ学校」・・・であったとしても。
 それに対して、漢検や数検などは小学4,5年頃から鍛えれば、何とか習得することが出来そうな分野。で、さっそく、塾側は受かりやすい「特別選考」合格を目指して、漢検や数検の資格を取るための講座を設定し、宣伝を始めたのだ。ある塾の広告では、一ヶ月12000円ほどの「月謝」とあった。英検準備はそれにまた1万円くらい上乗せする。
 何ということはない。今回の白鴎中学の入試は、新たな塾の営業分野を広げたようなものだ。
 その宣伝につられて、4年生や5年生からそのための塾通いが始まるような感じだ。
 さて漢検2級とは、いったいどのようなものか、本屋さんにはたくさんの教則本が置いてあるから、見た方がいい。小学生が漢検2級をとってどうするのというような代物。小学校や家庭でも日ごろ全く用いないようなマニアックな漢字の世界ではある。はたして、それが特別枠として優遇されるべきなのか、はなはだ疑問である。それでもなお、かくして塾狂想曲はますます激しくなっていくだろう。
 けれど、日常的な世界において、子どもにとって恐らく使いこなせないであろう「漢字」をたくさん知っている、そういうガキが増えることは本当によろこばしいことなのかなあ。
コメント (2)
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