おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

読書80「検察を支配する『悪魔』」(田原総一朗+田中森一)講談社

2010-01-26 22:35:47 | つぶやき
 小沢一郎さんへの疑惑。土地建物の購入資金。その4億円の中に、胆沢ダム建設にからむ建設会社からの裏金が含まれているはず。表面的には、虚偽記載などの「政治資金規正法」違反事件として。3人の元・現秘書が逮捕、拘留期限を延長しての取り調べが続く。そこでは、執拗に小沢さんの関与を追求され、何とか小沢さんも起訴に持ち込みたい、と。どういう罪で? 
 (受託)収賄罪が成立することにはならない、というのが、専門家の見方。野党時代の小沢さんには、便宜を図るべき職務権限はなかった、と。ならば、虚偽記載に関与していたこと。さらには、個人的に持っていたお金だったとしても、妻からのお金が一部含まれていれば、申告漏れ、贈与税逃れ・・・。そして、便宜供与・・・。
 今のところ、何とか建設の元役員の供述だけが唯一の証言、その他の客観的な裏付けは出ていない。この間の家宅捜索で新たな裏付け証拠が出てきたのか?
 かなり強引とも思えるような徹底した追求。そうまでして、なぜ、東京の特捜部が昨年の3月以来、執拗に小沢さんを追求しているのか。
 少し前の「週刊朝日」の記事ではないが、夏の参議院選挙で民主党に過半数をとらせまい、という「政治」判断がそこにはあるのか。国民の一人としては、そうは思いたくはない。まさに「国策捜査」! その国策とは今の民主党政権つぶしなのか。
 政権与党の幹事長を、任意の事情聴取ではなく、被告発人として黙秘権を認め、正式な検事調書として署名捺印させた。小沢さんは黙秘権を行使することはなかったと言うが。
 一部のマスコミも検察情報に踊らされているかのごとく、検察と一体となって、小沢の「悪」を暴くことに必死になっている。そこに、マスコミ操作を含めて、検察の底知れぬ「悪意」を見て取ることも可能だ。 
 「汚いハトを駆逐して、きれいなタカの時代にする」ここで言う「タカ」とは、正義の味方の「検察権力」のこと。(しかし、何と今の時勢に不思議と符合する表現か!)これは、この書の一節。
 この書に登場する「田中森一」。元検事・「ヤミ」社会の弁護士。詐欺事件で逮捕され、有罪判決を受けた。いろいろ批判・中傷されている人間。一方の「田原総一朗」。これまた好き嫌いの激しく、評価の分かれる人間。
 この二人が、2年前に対談して「検察ファッショ」の実態を世に問うたものが、この書。
出版当時は、その内容の真偽を巡って、少し話題になった程度だった。
 実名入りで多くの「疑獄事件」を取り上げ、有力政治家の介入の実態や検察上層部の実像(政権与党=自民党への政治的おもねり)などを明らかにしながら、その奥にはアメリカの対日政策(反米、親ロ・中は何としても捻り潰す・・・)のすさまじい実態などにふれている。
 特に、検察当局が思い描いたストーリーの通りになるように、徹底した取り調べの実態など、読み進むにつれて背筋が寒くなる思いがした(自分が被疑者になって、取り調べを受けたとき、検察官の前で、真実を語り通せるか)。ついこの間、菅家さんの事件でも明らかにされたが。
 今また、小沢幹事長の今回の容疑(と検察は固執している)事件と重ね合わせることでますます身震いがした。
 小沢さんが道義的・政治的責任をとって幹事長を辞める、という選択肢を選んだとしたら、検察はどう動いただろうか?
 「政治資金規正法」違反事件としても、うやむやにせずに小沢逮捕まで進める、さもなくば、秘書逮捕・起訴で一件落着とする・・・。はたしてどうなったか?
 マスコミも徹底した取材によって(検察垂れ流し情報とも思えるようなのではなくて)、「事件」と称される、この小沢問題を追及して欲しい。我々もマスコミ情報を鵜呑みにせずに、それなりの判断力を持つ必要がありそうだ。
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