この方、大学卒業後、38年間、大手食品会社に勤めて、退職。第二の人生、高校時代から興味を持っていた夏目漱石を研究しようと思い立ち、食のことについて調べあげ、一冊の書にした。たしかに漱石研究、もう隅から隅まで調べ尽くされている感がある。
だが、この方、それにもめげずに、そのごまんとある漱石研究のうち、食のことについてまとまったものがないのに目を付け、さまざまな文献(多くの漱石の作品から漱石関連の研究書・・・)を徹底して調べ上げた、その成果が、この書。
たしかによくぞここまでマニアックに調べたものか、というのが率直な感想。漱石家の朝・昼・夜の食事内容。胃弱な漱石の食事の取り方、好き嫌い、奥さんの鏡子さんの料理下手。さらに、作品中のある店、行きつけの飲食店(下戸だった漱石だが飲み屋なども)など現在までの移り変わりなども紹介している。ついでに、蒲焼き、パン、天ぷら、すしなど食品の原点・発祥、工夫、歴史などにも・・・。
さらにご丁寧なことに(頭が下がる思いだが)、漱石当時のものの値段、推移なども表にしてある。給料までも詳細に載せてある(同僚のものまで)。
年表は、漱石に関する事項の下には、食文化関係の年表を載せて、と微に入り細に入る資料が・・・。
今とは違って、江戸前の魚の種類の豊富なこと(なにしろシジミが漱石の住まいの近くの川から採れる!)や漱石の甘党ぶり、けっこう肉類が好きだったこと、出席した結婚披露宴での食べたもの、その少し前に食べたものが引き金で宿痾の胃の病で亡くなったこと、など話題も盛りだくさん。食品会社勤務だったというのも、不思議な因縁が。
長年の会社勤め(宮仕え)を終えて、さあ何をするか、仕事仕事に明け暮れた人生。ふと思い悩む方も多い。この方のように長年の懸案事項を解決するぞとの意気込み、これがまた次の課題を見つけ、チャレンジしていくことになるのかもしれない。
そういえば、まだお付き合いのある、職場の最長老。齢80を超える方だが、60歳くらいで退職したあと、旧制中学の歴史などの教育関係の資料収拾から、芥川龍之介について、今でも調査研究していらっしゃり、それぞれ何冊か小冊子にまとめている。
その本を読ませていただくたびに、「我が輩も、何か」と思う。そう思いつつもなかなか行動に表せず、こうしてつまらぬ文章をものすだけなのが、何ともはがゆい。
だが、この方、それにもめげずに、そのごまんとある漱石研究のうち、食のことについてまとまったものがないのに目を付け、さまざまな文献(多くの漱石の作品から漱石関連の研究書・・・)を徹底して調べ上げた、その成果が、この書。
たしかによくぞここまでマニアックに調べたものか、というのが率直な感想。漱石家の朝・昼・夜の食事内容。胃弱な漱石の食事の取り方、好き嫌い、奥さんの鏡子さんの料理下手。さらに、作品中のある店、行きつけの飲食店(下戸だった漱石だが飲み屋なども)など現在までの移り変わりなども紹介している。ついでに、蒲焼き、パン、天ぷら、すしなど食品の原点・発祥、工夫、歴史などにも・・・。
さらにご丁寧なことに(頭が下がる思いだが)、漱石当時のものの値段、推移なども表にしてある。給料までも詳細に載せてある(同僚のものまで)。
年表は、漱石に関する事項の下には、食文化関係の年表を載せて、と微に入り細に入る資料が・・・。
今とは違って、江戸前の魚の種類の豊富なこと(なにしろシジミが漱石の住まいの近くの川から採れる!)や漱石の甘党ぶり、けっこう肉類が好きだったこと、出席した結婚披露宴での食べたもの、その少し前に食べたものが引き金で宿痾の胃の病で亡くなったこと、など話題も盛りだくさん。食品会社勤務だったというのも、不思議な因縁が。
長年の会社勤め(宮仕え)を終えて、さあ何をするか、仕事仕事に明け暮れた人生。ふと思い悩む方も多い。この方のように長年の懸案事項を解決するぞとの意気込み、これがまた次の課題を見つけ、チャレンジしていくことになるのかもしれない。
そういえば、まだお付き合いのある、職場の最長老。齢80を超える方だが、60歳くらいで退職したあと、旧制中学の歴史などの教育関係の資料収拾から、芥川龍之介について、今でも調査研究していらっしゃり、それぞれ何冊か小冊子にまとめている。
その本を読ませていただくたびに、「我が輩も、何か」と思う。そう思いつつもなかなか行動に表せず、こうしてつまらぬ文章をものすだけなのが、何ともはがゆい。