おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

ありうる、ありえる?

2010-01-29 19:55:41 | つぶやき
 1月28日「朝日新聞」朝刊2面。アメリカ・トヨタ車のリコールを巡る記事の中。気になった表現がありました。
 「関係者によると、今回のリコールは引当金の範囲内で処理できるとみられ、一部費用を部品メーカーにふたんさせることもありえる。」
 この「ありえる」という表現は、これまでの日本語の用い方からすれば誤りで、「ありうる」と「するべき」です。と書きながら、ここも本来「すべき」ですね。このように日本語の表現が微妙にかつてと異なる感じがします。その代表が、「ありえる」「するべき」。
 「朝日」の記事は、関係者が話したことを、記者がそのまま記事にしたので、「・・・ありえる」と言ったのをそのまま活字にした、とも考えられます。また、記者自身が誤用したとも。
 いずれにせよ、会話でも「・・・ありえる」というふうに言う方は、多くいます。「ありえます」なら正しいのですが、その表現に引きずられてしまうのでしょうか。
 昨日の昼、6チャンネルのワイドショーでもコメンテーター二人が「ありえる」と発言していました。(余談ですが、その番組の中で、ふつうは「一石を投じる(一石を投ず)」というべきところを「一投石する」と言っていましたが、それはありですか。)
 「すべき」の場合は、「べし」の接続のしかたに違和感があるのでしょう。現代語の「する」という動詞のサ行の活用が「し・し・する・する・すれ・せよ、(し)よう」。一方、古語の「す」は「せ・し・す・する・すれ・せよ」なので、混乱が・・・。
 勿論、この言い方(「ありうる」「すべき」)自身、慣用的な用いられ方にすぎず、どちらの表現(「ありえる」「するべき」)も今や許容範囲となってきている、とは思います。 漢字の読みでも、かつては違和感があったものも、許容されてきました。例えば、「重複」は本来「ちょうふく」のはずですが、「じゅうふく」も可ですから。これなどの例は他にもたくさんありそうです。
 でも、TVなどで、ペルーの「大」地震を「おお」地震と言うのは、ちょっと違和感があります。「だい」地震ではないでしょうか。湯桶読みのような言い方は、おかしい感じがしますので。
 まあ、数年前、わが耳を疑った言い方に比べれば、「よし」とすべきでしょうね。あの、天下のNHKのアナウンサーが「いよいよ、興味つつですね」と。「興味津々」を言い間違えたのでした。
コメント
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