「大森陸執行委員長の2020年12月〜21年4月の平均賃金で割合を算出すると、基本給(当時6万円)の占める割合が約15%にとどまる一方で、業績給など3つの手当てが約77%だった。また、大森さんが2022年、ドライバーから助手職(運転せず同乗)に職種変更したところ、基本給は5万円となったという。」
過去を振り返ってみると、あくまで私見だが、「内側を削る」動きは、まず(輸出型の)メーカーで起こっていて、「規制緩和」の波を受けて物流の世界に飛び火し、続いてほぼ全業界に拡大していったという印象である。
もちろん、弁護士業界も例外ではない。
私が弁護士になった時、ある先輩弁護士からこういう話を聞いて驚いた記憶がある。
ボスからいきなり「来月から歩合給にするよ」と言われ、拒否することもできず従っていたところ、殆ど事件の配点がないため、月給が3万円になったというのだ。
その先輩の事務所の場合、事務所事件以外の事件もやってよいとされていたので、過払い事件などで何とか生活費を賄ったということである。
「完全歩合制」はそもそも労基法に違反するはずだが、こういうことが、おそらく様々な業界で起こっていたのだろう。