心理的虐待「ガスライティング」の加害者がよく使う言葉と表現
「「記憶が間違っているんじゃない?」
被害者の主張を否定し、「そんなこと起こってないよ」や「記憶が間違ってるだけ」と言うのは、ガスライティングの一種。これによって、被害者が自分の記憶や認識を疑うように仕向けて混乱を招くのです。」
ある法律相談で、依頼者(高齢の母親の財産管理を心配している)の話を聞いていたら、ガスライティングではないかと思われるエピソードが出て来た。
少しデフォルメして言うと、その母親は、医者から病気のためアルコール類の摂取を禁じられているにもかかわらず、母親宅のキッチンでワインのボトルを見つけたため、依頼者は怪訝に思ったそうである。
そこで、母親の近所に住んでいて出入りが多い兄嫁に確認したところ、「お中元のワイン。お母さんが飲んだのよ。」という説明があったという。
だが、依頼者が母親に聞くと、「絶対に自分がワインを飲んだはずはない」と言うので、再度兄嫁に問いただすと、「お母さんの記憶違いでしょ?最近多いのよ」という回答だった。
依頼者は、「母親が高齢で多少記憶違いがあることは認識していたが、さすがに禁忌のアルコールを飲むことはあり得ないと確信しているので、これはやはり兄嫁がウソをついているのだと思う」と語った。
この種のエピソードは、高齢者虐待の事案に限らず、児童虐待、モラハラやパワハラの事案でもしばしば聞く。
例えば、パワハラ上司が、ちゃんと説明を受けた話なのに、「そんな話聞いてない!」とブチ切れたり、自分のカン違いなのに、部下に「お前のカン違いだろ!」と決めつけて責任を転嫁したりする行為は、もはやパワハラ上司の「得意技」と言ってよい。
法曹としては、「ガスライティング」が疑われる人物の行動を注視し、虐待に敏感になっておく必要があると思うのである。
「「記憶が間違っているんじゃない?」
被害者の主張を否定し、「そんなこと起こってないよ」や「記憶が間違ってるだけ」と言うのは、ガスライティングの一種。これによって、被害者が自分の記憶や認識を疑うように仕向けて混乱を招くのです。」
ある法律相談で、依頼者(高齢の母親の財産管理を心配している)の話を聞いていたら、ガスライティングではないかと思われるエピソードが出て来た。
少しデフォルメして言うと、その母親は、医者から病気のためアルコール類の摂取を禁じられているにもかかわらず、母親宅のキッチンでワインのボトルを見つけたため、依頼者は怪訝に思ったそうである。
そこで、母親の近所に住んでいて出入りが多い兄嫁に確認したところ、「お中元のワイン。お母さんが飲んだのよ。」という説明があったという。
だが、依頼者が母親に聞くと、「絶対に自分がワインを飲んだはずはない」と言うので、再度兄嫁に問いただすと、「お母さんの記憶違いでしょ?最近多いのよ」という回答だった。
依頼者は、「母親が高齢で多少記憶違いがあることは認識していたが、さすがに禁忌のアルコールを飲むことはあり得ないと確信しているので、これはやはり兄嫁がウソをついているのだと思う」と語った。
この種のエピソードは、高齢者虐待の事案に限らず、児童虐待、モラハラやパワハラの事案でもしばしば聞く。
例えば、パワハラ上司が、ちゃんと説明を受けた話なのに、「そんな話聞いてない!」とブチ切れたり、自分のカン違いなのに、部下に「お前のカン違いだろ!」と決めつけて責任を転嫁したりする行為は、もはやパワハラ上司の「得意技」と言ってよい。
法曹としては、「ガスライティング」が疑われる人物の行動を注視し、虐待に敏感になっておく必要があると思うのである。