Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

応能負担

2022年06月20日 06時30分53秒 | Weblog
大企業健保「解散危機ギリギリ」疲弊する働き盛り世代
 「日本では、国民すべてが公的医療保険に加入する「国民皆保険」制度が1961年に実現し、病気やけがをしても、所得に関わらず必要な医療を受けることができる。
 これは、負担能力のある比較的健康な現役世代が、負担能力が小さくて病気になりやすい高齢者を支える「応能負担」で成り立っている。だが、高齢化によって、現役世代の負担が過大になっており、制度が揺らぎつつある。「取りやすいところから取る」応能負担が行き過ぎれば、働きざかりの現役世代は疲弊する。全世代が納得感を得られるような見直しは急務だ。


 成年後見の事案を担当していると、ときどき、保険料が年金から天引きされているのを見て、唖然とすることがある。
 年金受給額が少額でも容赦ない天引きなのである(Q.年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税を天引きされるのはどのような人ですか。)。
 コロナウイルス問題で明らかになったことは、この国の医療制度が大きな問題を抱えているということと、それに手を付けること自体がいわばタブー化しているということだろう。
 もっとも、最近では、この状況も変わりつつあるのかもしれない(医師会の天敵!?一松さん大特集!財務省ダービー答え合わせ後編 横山賢司弁護士 憲政史家倉山満 兎田中子【チャンネルくらら】)。
 「令和の改新」成るか?
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

武祖神

2022年06月19日 06時30分00秒 | Weblog
NHK出版新書 601 世襲の日本史  「階級社会」はいかに生まれたか [著] 本郷 和人
 「『文明としてのイエ社会』では、十一世紀の東国に「イエの原型」(原イエ)の基本形が成立したと述べて、「原イエとは、律令国家の支配体系(ないしその解体的土着型としての荘園・公領体制)から事実上独立したテリトリー(根本私領・名字の地)を中核とする開拓農場としての私領の上に築かれた一種の共同経営体である」(305頁)と定義しています。同時に、僕の恩師である石井進が「舘(たち)を中心とする開拓農場の別名であり、その政治的表現にほかならない(『日本の歴史7 鎌倉幕府』、58頁)と定義した「武士団」と、原イエとはほぼ同義であるとしています。」(p82~83)
 
 「原イエ」(イエの原型)は、「武士団」によって形成された「農業の共同経営体」であるという指摘である。
 確かに、こう考えると、「イエ」が軍事化の契機をビルトインしていること、要するに暴力組織の一種であること(カイシャ人類学(11))が理解しやすい。
 興味深いのは、「原イエ」の代表例と思われる源氏が、自らの祖神として、「八幡神(八幡大菩薩)」を奉っていた点である。

八幡神―源氏に信仰された武家の守護神
 「「武士による武士のための政権」を実現した頼朝は、王権の象徴である天照大神とは異なる八幡神を武家の守護神に据えた。
 八幡神は皇祖神である天照とは別の秩序に位置し、源氏の氏神である以上に武神としての性格を有していた。『将門記』によると平将門は天慶2年(939)の末に常陸・下野を攻略し、上野に至り国庁で神託を与えられた。そして、”新皇”を宣言した将門にその地位を保証したのが八幡大菩薩であった。
 このように、八幡神には天照大神とは異なる世界を創る上で大きな役割があった。
天照による王朝的秩序からの解放こそが、武家が守護神として八幡神を信仰する理由であった。


 源氏は、「皇祖神」である天照に対抗するものとして、八幡神をいわば「武祖神」として信仰したという指摘である。
 面白いのは、源氏の血が流れていない武士であっても、源氏の臣下となって八幡神を信仰すれば、その加護を得られると信じられていた点である。
 そのことは、「勧進帳」のラストシーンで、弁慶が天を仰いで「八幡大菩薩」の加護に感謝するくだり、あるいは、元ネタである謡曲「安宅」では、義経が弁慶に「いまの機転さらに凡慮よりなす業にあらず。ただ天の御加護とこそ思へ」と述べるくだり(他力)からも推測することが出来る。
 要するに、「武祖神」である八幡神と同一の「イエ」のメンバーとなるためには、その血を受け継いでいることは必須ではないのである。
 この点が、おそらく「皇祖神」の場合とは決定的に違っていたのではないかと思われる。
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不朽の言葉(2)

2022年06月18日 06時30分19秒 | Weblog
ニーチェ全集 8 ─悦ばしき知識 フリードリッヒ・ニーチェ 著 , 信太 正三 翻訳
 「・・・おお、このギリシア人!彼らは、生きるすべをよくわきまえていた。そのためには、思いきって表面に、皺に、皮膚に、踏みとどまること、仮象を崇めること、形式や音調や言葉を、仮象のオリュンポス全山を信仰することが、必要だったのだ!このギリシア人は表面的であったーー深さからして!そして、われわれはまさに其の地点へと立ち還るのではないのか、ーーわれわれ精神の命知らず者、われわれ現在の思想の最高かつ再危険の絶頂に攀じ登ってそこから四方を展望した者、そこから下方を見下ろした者は?まさにこの点でわれわれはーーギリシア人ではないのか?形式の、音調の、言葉の崇め人ではないのか?まさにこのゆえにーー芸術家なのではないか?」(p17)

 ニーチェの「不朽の言葉」は無数にあるけれど、この本の序文などはその代表例で、何度読んでも味わいがある(ちなみに、私は「悦ばしき知識」が好きすぎて2冊持っている。)。
 ここで言う「ギリシア人」は、言うまでもなく、ソクラテス=プラトンより前の、おそらくは、ヘラクレイトスの頃までのギリシア人を指している。
 ここでニーチェは、仮象(形式、音調、言葉)の背後に、永遠不変の「真理」なるものを措定する思考を批判しているわけである。
 この言葉は、ミレトスのヘカタイオスとはまるで違うもののように見えるけれども、究極的には「人間への回帰」を志向している点で、軌を一にしているように思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

民事弁護の傍目八目

2022年06月17日 06時30分39秒 | Weblog
 私の場合、民事事件の尋問前のリハーサルでは、当事者の方に裁判所に来てもらい、実際の尋問を傍聴してもらうことにしている。
 傍聴の前に、尋問の一般的留意事項を説明するのだが、その中に、「前(裁判官の方)を向いて話すこと」というのがある。
 これは、先輩弁護士や修習時代の裁判官の話などを総合して抽出した留意事項の一つなのだが、「証言台に設置してあるマイクが音声を拾いやすいようにする」というテクニカルな理由のほかに、もっと重要な、本質的な理由がある。
 先日、傍聴に先立ってこの”心得”を説明して、「例えば、自分の代理人ばかり向いて話す証人は、裁判官には『自分の発言に自信が持てない人』という風に見えかねません。」とコメントして、傍聴に臨んだ。
 すると、出て来た証人は、始終、横の代理人の方ばかり向いて、「あ~、そうですね、ええと・・・」などと自信のなさそうな口ぶりで話す人物である。
 しかも、この証人は、最重要と思われる質問に答える際、なぜか”鼻を触る”という仕草をしたのである。
 私が見たところ、裁判官は、この証人の仕草を細かく観察していた。
 おそらく、裁判官は、「この証人は信用できないな」という心証を抱いたと思う。
 見落としがちかもしれないが、尋問での証言・供述においては、内容だけではなく、仕草や視線の方向、声の調子などの、内容以外の要素も非常に重要だということなのである。
 極論すると、どんな内容を話していても、ウソがばれてしまうのである。
 これは、海外留学を経験した人などは、non-verbal communication (非言語コミュニケーション)の重要性の一つとして、痛感しているはずなのだ。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

怖いもの見たさ

2022年06月16日 06時30分49秒 | Weblog
NHKプラスを騙る偽メール横行!クリックしてみてわかったこと。親世代も危険!詐欺に気づくポイントは?
 「日本人のクレジットカード情報は闇サイトで他国よりも高値で売買されており、平均価格が世界で1位という報道もなされています。まさにそうしたカード情報の詐取が狙いと考えられます。
 すべてを入力しましたので、「入力を完了する」のボタンを押します。
 しかしなぜか、クレジットカード番号は消えてしまい、先に進みません。もう一度入力しますが、また消えます。3度目以降は、カード番号自体が入力できなくなりました。
 おそらくこの時点で、カード情報は盗まれているものと思われます。


 今朝、「NHKプラス」を名乗る業者からメールが届いたので、フィッシング詐欺だと思い、ググってみたら案の定だった。
 結構手の込んだメールで、クレジットカード情報を抜き取る狙いがあるようだ。
 それにしても、フィッシング詐欺と気づきつつも、「怖いもの見たさ」でクリックして分析する人もいるのだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不朽の言葉

2022年06月15日 06時30分48秒 | Weblog
モミッリャーノ 歴史学を歴史学する
 「ギリシャ文明の蛮族性というこの主張は、少なくともわれわれが断片から知りうるわずかな範囲においては、Hekataios の歴史学の結論にあたるものであった。穏やかでない結論である。積み重ねられてきた伝統が自分の思想的要請にとってもはや十分でないという、深刻な悩みが自分の意識の奥底にあることを明かすものである。われわれはまたしても、真の歴史学は、まさにその始原からして、深い精神的必要の存在を明かすものである、ということを思い知らされる。それはこの場合、今や無益で空を切るものでしかなくなった認識世界を振り払い、これに替えてもはや神学的でなく人間学的な認識世界を築く、そういう必要であった。この観点からすると Hekataios の叛乱は、ギリシャ歴史学の歴史にとって決定的な価値を有した。ギリシャの歴史学は、まさに Hekataios が欲したように、もはや神々や半神たちの伝承を集めるものではなく、それらの伝承を批判するか、ポジティヴな局面を言えば、人間および人間にかかわる事柄を探求するものとなったからである。」(p19~20)

 このくだりは、木庭先生が「Momigliano の不朽の言葉の一つ」と評する表現を含んでいる。
 「自分たちはもともと『蛮族』」という主張は、「無垢なロシア(聖なるロシア)の復活」などという類の発想(宗教?)とは対極にある。
 それにしても、「蛮族」が政治システムを打ち立てたところに、ギリシャ人の奇跡があるとつくづく思う。
 ・・・さて、ロシアに(もちろん日本にも)政治システムが成立するのは、いったいいいつの日になることだろうか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

専業主婦とマドンナ

2022年06月14日 06時30分12秒 | Weblog
民事裁判教官ら「女は,研修所を卒業したらその能力を腐らせて家庭に入れ」
 「こんな時代もあった
 民事裁判教官ら
「男が命をかけた司法の職場に女が来るとは許せない」
「女は,研修所を卒業したらその能力を腐らせて家庭に入れ」


 恐ろしい時代・業界があったものだ。
 これでは、「司法の職場」は「戦場」で、法曹関係者は「戦士」のようなもの。
 ・・・そういえば、この歌も、もしかすると民事裁判教官と同じ世界観に立つものなのかもしれない。

「聖母たちのララバイ」歌詞
この都会は 戦場だから
 男はみんな 傷を負った戦士
 どうぞ 心の痛みをぬぐって
 小さな子供の昔に帰って
 熱い胸に 甘えて


 「マドンナ」は、バブル戦争の「戦場」(職場)で傷を負った「戦士」(サラリーマン)を癒す「専業主婦」をイメージしているかのようだ。
 もっとも、この歌詞が、当時フェミニスト団体などから批判を受けたという話は聞かなかったと思う。
 隠れた女性差別に気付かない人が多かったのだろうか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

神聖不可侵権

2022年06月13日 06時30分20秒 | Weblog
ノートルダム・ド・パリ(振付・台本:ローラン・プティ)
【重要】「ノートルダム・ド・パリ」出演者変更のお知らせ
 「「ノートルダム・ド・パリ」公演に出演を予定しておりましたデニス・ロヂキンとアンジェリーナ・ヴォロンツォーワは来日が難しい状況のため、出演をキャンセルさせていただくことになりました。

 この作品は、「コリオに合わせて音楽が作られた」という印象で、総合芸術としての完成度が高くて感心する。
 菊池研&青山季可コンビは、来日できなくなったロシアコンビのいわば”カバー”ということなのだが、はまり役という印象で、十分贅沢である。
 さて、当時、教会には「神聖不可侵権」(治外法権?)なるものが認められており、絞首刑を言い渡されたエスメラルダは大聖堂の中に逃げ込んで、刑罰を免れることが出来た。
 ところが、その後、議会は「神聖不可侵権」を撤回するという挙に出たため、エスメラルダは捕まってしまう。
 ある意味、「権力の恣意」の一例のように思えるし、手続的な問題が大きい。
 ちゃんと教会側の言い分は聞いたのだろうか?
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

反社認定(12)

2022年06月12日 06時30分35秒 | Weblog
《森友文書改ざん事件》佐川宣寿さんの尋問はなぜか却下 赤木雅子さんが法廷で聞きたかったこと
 「大阪地検特捜部が近畿財務局に資料の任意提出を受けに訪れた際のこと。池田氏は強制捜査と混同して「ガサ入れに来た」と表現しているが、俊夫さんが池田氏に「これも出していいですか?」と示したのが、後に「赤木ファイル」として知られることになる、改ざんの詳細を記録した書類だった。池田氏は「全部出してください」と答えたという。
 池田氏の話は録音データで残っている。この話から財務省が検察に資料を任意提出したこと、その中に「赤木ファイル」も含まれていたことは明らかだ。
 俊夫さんの手帳にも、2017(平成29)年6月28日に「任ガサ」という文字が残っている。これは「任意のガサ」つまり「任意提出」を指す。「18:30特捜部来庁」の記載もある。
 そこで、この経緯を記した本を証拠として裁判に出し、国の主張を覆そうという狙いだ。雅子さんは、総勢5人になった弁護団で反転攻勢に出る。そんな気持ちがLINEで届いた。
「ここまで叩き落とされ叩き潰されたから、あとはもう上がるしかないと思います。これからどう生きるかですね」


 反社認定(11)で予想したとおり、裁判所は、佐川氏の尋問申請を却下した。
 こうなると、「公務員個人は責任を負わない」という判例に従った判決が下される流れだろう。
 但し、この際、佐川氏個人の故意・重過失を裁判所が認定するかどうかは一つの見どころである。
 というのも、国賠法1条は、2項で「公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。」と定めており、仮に判決で佐川氏の故意・重過失が認定された場合、国としては、「国の債権の管理等に関する法律(昭和三十一年法律第百十四号)第十条から第十二条まで、会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第六条等の規定するところに従って、遅滞なく、求償権につき弁済の義務を負う公務員に対してこれを行使すべき」ことになるからである(第170回国会(臨時会)答弁書第二六号)。
 おそらく、裁判所は、「公務員個人は賠償責任を負わない」という一般論を述べた上で、「その余については判断するまでもなく」、請求を斥ける、つまり、佐川氏の故意・過失の有無については判断を回避するのではないだろうか?
 そうなると、佐川氏を被告とする訴訟においては、国が佐川氏に対して求償権を取得するかどうかは決まらないことになるだろう。
 他方、既に国は被告として請求を認諾しているので、これによって佐川氏の故意・過失の点について自白が成立したことになるのか、そして国が佐川氏に対して求償権を取得したことになるのかは、もう一つの問題だろう。
 もちろん、国としては、「早期解決のために請求を認めただけで、事実関係まで認めたわけではない」などと反論するのかもしれない。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分の手を汚さない

2022年06月11日 06時30分00秒 | Weblog
播州信金、審査部長を懲戒解雇 定期3400万円詐取で
 「播州信用金庫は6月2日、顧客の定期預金証書の偽造を繰り返し、現金3400万円をだまし取っていたとして、審査部長(男性、51)を6月1日付で懲戒解雇したと発表した。

 一般の人であれば、「とんでもない話だ」と呆れるところだろうが、私はちょっと違ったことを考えた。
 それは、この審査部長は、おそらくこの信金では創業者一族ではなかったのだろうということである。
 高度の透明性が求められる金融機関でありながら、信金や地銀の中には、いまだにトップが世襲であったり、経営陣が同族であるところが多い。
 こうした同族経営の金融機関において、この種の不正を行う人物の中に、創業者一族が含まれていることはまずない。
 なぜなら、こういう人たちは、「自分の手を汚さない」手段を講じているからだ。

スルガ銀行、不正融資を招いた同族経営の闇 2トップ独占インタビュー(上)【全3回】 ダイヤモンド編集部
 「それ以前から、スルガ銀の不正融資については盛んに報道され、監督当局による検査も入っていた。にもかかわらず、昨夏に光喜氏に報酬として1億9700万円、喜之助氏に対しては退職慰労金として5億6500万円を支払うことを決めているあたりに、一連の不正行為とその責任を旧経営陣がいかに軽視し、かつ社外取締役による牽制機能が働いていなかったかがよく分かる。

 こういう風に「合法的に」、多額の金銭を得ることが可能なのだ。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする