パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

人にはどれだけの土地がいるか

2009年10月15日 21時29分51秒 | 
トルストイ民話集
「イワンのばか」他8編の中の一つが
「人にはどれだけの土地がいるか」

これは以前読んだ事があるけれど
タイトルの「イワンのばか」の内容は
すっかり忘れてしまったが
「人にはどれだけの土地がいるか」
の話は結末だけはちゃんと覚えていて
人は大きな欲望に振り回されてはならない!
といった教訓じみたテーマは胸に刻まれている

一日で回って来られる範囲の土地を与えられる事になった男は
広大な土地を得る為に必要以上に遠くまで足を伸ばし
その結果、必死になって戻ろうとするのだが
結局体力の限界まで使い切り死んでしまう
彼に必要な土地は、彼のお墓の面積だけだった
という話だが、久しぶりに読み返してみた

部分的には忘れていたが
今回再読して引きずられる様に思い出したのが
「ゾウの時間、ネズミの時間」

これも面白い本だったけれど
その中で強く覚えているのが
大概の動物は自分の体長の何十倍(何百倍)
四方の土地の中で暮らしていて
その範囲内で食料は調達できるといった内容の事柄

今のエコ生活的な視点から見れば
動物たちは地産地消しているわけだ
ところが人間は大量の化石燃料を使い
世界中を飛び回り、大いなる無駄をしている

人間も動物の一種、
本当はそんなに飛び回らない方がいい?
と考えられない事もない

さて「人にはどれだけの土地がいるか」を
「人間にはどれだけのお金がいるか?」
と置き換えると
民話を軽く笑ってしまう事のできない人々が
あまりにも多く存在しそう?
(自分もその中の一人かも)
コメント
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