パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

春はあけぼの、秋は夕暮れ、冬はつとめて、さて夏は?

2014年10月12日 19時37分01秒 | 徒然なるままに
恒例の朝の散歩中にフト急に思い立った
枕草子の冒頭

春はあけぼの
秋は誰でも想像がつくように、夕暮れ
冬は変な言葉のため記憶に残っている、つとめて
ところが夏が何だったのか思い浮かばない

朝と夕方がもう使われているので昼かな?
と思ったがあの暑いのを「をかし」とは言えない
そこでネットで枕草子で検索
答えは「夏は夜」

原文は

夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほかにうち光て行くもをかし。
雨など降るもをかし。

なるほど、蛍か
分からないでもないな!と納得

そこで最初から読み直してみた

以下原文

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。

夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほかにうち光て行くもをかし。雨など降るもをかし。

秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。
まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。

冬はつとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭持て渡るも、いとつきづきし。
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。

こうして改めて読んでみると、なかなかの名文
流れが良くて、すんなり納得できるおおらかさと感性

秋は夕暮れだけではなく、巷では読書の秋とも言われる
せっかくだから「枕草子」を
読み直してみるのも悪くないかもしれない
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする