パンセ(みたいなものを目指して)

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新城市の住民投票、その後

2015年10月26日 07時35分27秒 | 住民投票・市庁舎・リコール・市政

5月31日、新城市ではあのややこしい文言の選択肢による住民投票が行われました
マスコミも大阪の住民投票の直後ということと
分かりにくい文言は報道としては美味しい面もあって
随分報道されましたが、あれから約5ヶ月
新城市の皆さん(関心を持って新城市を見守って下さった皆さん)
今はどうのようになっているか、ご存じですか?

6月に実務協議なる市側と市民側の会議が持たれたことを
どのくらいの方が知っていることでしょう
またその会議の進行の状況や、内容について
どのくらいの方がご存知でしょうか

そして今、その住民投票の結果が完全に無視された状況に
なりつつあるのをご存知ですか!

住民投票が求められたのは新城市に分不相応な大きすぎる庁舎
大きな金額をかけすぎることに待ったをかけることが目的でした
お金は他の使い道とすべきと言うわけです

つまり先日の中日新聞の記事でも明らかにされなかった庁舎建設の予算
これこそが本当に問題とすべき点、住民投票の本質だったのです

素直に住民投票の結果を重く見るならば、何よりも予算を削るべきだ
と考えるのが普通ですが、何故か行政はそのように解釈していません
道路を元に戻す、東庁舎を活用する  しかし、予算は削れないかもしれない
大雑把に言ってしまえばこんな態度で進めています

本来ならは何よりも予算ありき、縛りありきで設計会社に新たな案を依頼するのが
普通だと思いますが、何回も行われた実務協議で市民側はそのような
依頼の仕方を設計会社にして欲しいと言い続けましたが
市・行政・市長は無視し続けました

そして今漏れ聞こえてくる噂では庁舎建設予定額は何の事はない
選択肢1で説明された50億に近いというではありませんか
さすがにそこまでの数字は次の記者発表(マスコミ発表)は
無いと考えられますが、行政は「もっくる新城」で使った手を使って
つまり補正予算と言う手を使って、結果的には大きな予算を
投じてしまう可能性を考えられます

上に挙げたことがすべて個人的な思い込みや偏見で終わってくれれば
良いのですが、そうでないとしたら人は何をすべきでしょうか

新城市の財政については様々な解釈があります
大丈夫という人もいれば限りなく危ないと言う人もいます
でもはっきりしていることは今後人口が減少していくことは
余程のことがない限りストップがかけられないということです

その少なくなっていく人口の中で、今の人口を前提とした
そして職員数も考慮しない計画が真にまともな計画なのでしょうか

もう一つ大きく心配するのは先日の新聞発表のあった地下トンネル案です
仮にこの案が実行された時、何年後の市民はなんと思うでしょうか
どうして庁舎の前のスペースが駐車場にもならずに空き空きになっているのか
どうしてこんなに危険なトンネルを作ってしまったのか
一体誰が判断して実施させたのか、、、
その一つ一つに法律的な問題があって仕方ないと言うかもしれませんが
その法律的な対処方法に真正面から行政は取り組んでいると言い切れるのでしょうか

住民投票をする前は「お上の決めたことはひっくり返せない」
と言う声が大半でした、
しかし新城市民は結果的にお上のやることにNOを突き付けました
それは先程行われた小牧市の住民投票も同じで
小牧市は計画の白紙撤回までこぎつけています
ところが住民投票の先輩である、そして貴重な経験をしている新城市民は
何故か求める結果を得られないでいます

これは住民投票の文言から解釈すれば行政側は住民投票の結果を守っている
というのとは違います
問題をテクニカルな面に置き換えていますが、本質的なことに答えていません
深読みする必要は無いけれど、住民投票にまでなってしまった点を
考えるなら建設費は市民が納得できるほどに抑えるべきです

市民自治を自分たちがひとりひとりが意識して進めていかなければならないのは
今では当然のことの様に思えますが、実はそれは行政や市議・市長が
当てにならないということの裏返しです

いずれにしても、住民投票を他の自治体に先に立って行い
市民自身の経験・知恵となったことは結果として生かさないと
もったいないことになると思います

如何に拘束力がなくても、ダメなものはダメ
というべきだと思いますが

※念のため住民投票の経緯・資料を紹介します

先ずは、分かりにくい住民投票案


庁舎の建設に関することが争点となっているのに道路の話が出てきて
しかもその道路が一般の新城市民の知らない道路
これでは何がなんだかわからないのが普通です
この選択肢(条例案)に関して毎日新聞では批判しています
 

毎日新聞に指摘されるまでもなく、当事者の新城市民はこの選択肢の文言を変更するように
訴え続けましたが、それは無視されました

住民投票に至る前に、「しみんまちづくり集会」という市民が情報の共有を図る趣旨の
会議が開かれましたが、上にあげた選択肢1を支持するひとの時間と
選択肢2を支持する人の持ち時間が大幅に違いました
そしてその説明の人選がまた不思議で、選択肢1は行政が説明、
選択肢2も行政(検討していないからよくわからないといった説明)
結局はとても公平とはいえない内容となりました

住民投票の期間中は各陣営の活動もそれぞれ、
特に選択肢1の陣営は奇妙な団体を急遽作り上げたりし、
その推薦人の名前を本人の了解もなく使用して
(同姓同名の方がいたため)苦情の電話が30数件あったということです) 

新城市初の住民投票は結果的に
選択肢1 9759票
選択肢2 12899票 となり
大幅な庁舎縮小が求められました
しかし、あのややこしい条例案で行われたために
テクニカルな言葉の解釈で有耶無耶にされるのを避けるために
住民投票を求めて大幅な縮小案を提示した市民団体は
争点(結果は)は3階建て30億円を実現するということであったと
請願書、要請書を議会、市長に提出しました

↑議会宛の請願書


 
↑市長あての要請書 

それから市長の提案で庁舎見直しの実務協議が合計4回行われました
(行政と市民が参加、公開)
これも振り返ると不思議な会議で、市民と行政が一緒になって
住民投票の結果を踏まえてより良きものをつくるといったニュアンスは
全くと言っていいほどありませんでした
行政側(市側)から出てきたのは問題点の指摘ばかりで
それは実は自分たちにも関係することなので自らも検討すべきですが
なんら前向きの話は出てきませんでした
職員数を今後減らしていくとか、ペーパーレスにして机の上をスッキリさせる
といった現実的な提案がないどころか、今をベースにしてあれが足りない
これが足りないという発言が続き、本当に市民と協力して
見直しをするのか疑問に思うのでした


そこで出てきたのは、今も大きな問題となっている庁舎に対する進入路の問題
大型の車が間違って侵入した場合、頭からでられる方法を講じなければならない
まずはこの問題が出てきました
その解決策は残念ながら行政側からは出てきませんでした
実務協議に参加した市民側の工夫でなんとかクリアできましたが
それでも、本当にこの解決法がベストなのか今でも疑問に思います
 

車をスイッチバックで切り替えて出られるようにするというものです
しかし、この方法では庁舎の面積が削られてしまいます
大型車の進入を禁止する看板、施設を設置して最初から入れないように
すればよいのではないか!
誰でも考えることですが、これは頑なに拒否されます

この進入路の問題はまた後の問題にも関連して
次には体育館側と現在の庁舎側を結ぶ地下トンネル案が出てきました
ところがこれが危ない 


 角度が16%と12%
またこの坂の準備段階としての予備のスペースが必要となり
実質的に庁舎用地として使える面積は随分小さくなります
おまけに

トンネルから出た時、あるいは進入する場合には
とても大きなハンドル操作が必要となります 
坂を下る(上った)寸前でこの様な大きなハンドル操作は
年寄りの多いこの新城市では危険なことは容易に想像がつきます

お役所は自分の管轄する分野だけ責任を持てば良いのでしょうか
公安は道路の部分の安全性の確保だけを責任をもち
庁舎に中にはいった車の安全性については一切あずかり知らぬ態度を
とっています
そして庁舎の面積が少なくなろうがなるまいが自分たちには関係のない
といった様に感じられます

もちろん法律的にはそうでしょう
でも、本当にそんなことでいいのでしょうか
話は飛びますが、この市庁舎の進入路以上に危険そうな例は
豊川市や新城市でもちょくちょく見られたりします

この法律上の問題を公安の方々と話し合おうとしても
市民にはその権利がないの一言で蚊帳の外とされてしまいます
ならば当事者(道路管理者)に市民がいろいろ要望をしても
最終的な判断は職員の方にはできません

そしてこうした結果が積み重なって
現在は住民投票の結果が生かされない状況になっています 

もうじき新たな庁舎の基本案が提示される予定です
はたしてこれが真に「新たな市民合意の形成」となるのか大いに疑問です
市民合意とは納得することで、
お知らせの郵便を有権者に配ったからとか
説明会を1回開いたからということでは無いはずです

それが証拠に前回はそんな安易な方法をとったために市民に怒りが生じ
住民投票にまで発展し、結果もNOとなったのです
住民投票は結果を尊重するだけでなく、何故住民投票にまで
なってしまったのかを深く反省・考慮して次に活かす知恵とすべきです 

 

 

 

 

 

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