パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

年収による考え方の違い

2022年04月04日 08時53分18秒 | あれこれ考えること

興味ある調査を目にした
先日のアカデミー賞授賞式のウィル・スミスのビンタについての
その評価についての調査だ
年収ごとに区分したところ、高収入の人たちは大半が彼の行動を
受け入れがたいとした
一方比較的収入が低い人達は彼に対して同情的でパートナーを
守るためにはやむを得ないという声も多かった

年収によってこのように考えかたとか感じ方が違うのは
以前読んだブルデューの「ディスタンクシオン」にも
膨大な調査から明らかにされている

音楽の好みもクラシック音楽ではチャイコフスキーの「白鳥の湖」と
バッハの「フーガの技法」は年収人よってその評価に大きな違いがある
絵画も抽象画は高収入の人々に高評価で、低収入の人たちはわかりやすい絵が好まれている
家具の選び方も随分好みが違う
古くても質の良いものを好むのは高収入層、はやりのものを選ぶのは比較的低収入層
また小説等の評価も高収入層は、小説の構造等に関心があり、
他方は感情的なものに心惹かれるようだ

ブルデューの調査はそれにとどまらず学歴による違いも明らかにした
高学歴の人の好みと低学歴の人の好みの違いだ
だが高収入層は高学歴を確保しやすく、そこには相関関係が見られるようだ

人の感じ方とか考え方は個人の自由といいうものの
現実はこのように年収によって随分違ってくる
感じ方考え方のもととなるのは日々の暮らしの体験だ
その体験も高収入の人は演奏会や展覧会に頻繁に行けるが
余裕のないひとはそういうわけにはいかない
そして、そこでの体験の差が感じ方や考え方の差となってくる

親ガチャは単に経済的な面からの見方だが、このように体験の差による
考え方を生み出してしまう格差はやはり良くないと思わざるを得ない

ということで、格差は良くない
富の分断は体験量の差を生み、また情報量の取得の分断も生む
それはもはや自己責任のレベルを超えていると思う
最低で文化的な生活、、この基準をどう考えるか、、
お金の視点からだけでなくトータルに考えないとまずいと思うこの頃

コメント
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