季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

ツレうつ

2014-07-19 23:24:23 | 心と体 Mind&Body
「ツレがうつになりまして」という映画を見た。
主演は宮崎葵と堺雅人。

前にクリニックの映画会で上映してて、観たいなと思っていたのをちょうど映画チャンネルでやっていたので。

南極料理人でも一時ウツ状態になって閉じこもった堺雅人だけど、あのアクのなさからかドロドロ重い感じにならない。
実際はもっと重くて暗い感じかもって思う。

この映画はウツはどんな感じなのかって言うより、ウツの人がそばにいる暮らし。精神病の人がこの世にいると言う事がどういう事かが伝わる映画なんじゃないかと観て思った。

始めは何も知らないハルさん。だんだんとツレが尋常じゃない事に気づく。映画ではすぐに心療内科に行ってるけど、いきなりそこに行く人は珍しいんじゃないかなあと思った。たいてい内科とか整形外科とかに行くと思う。
ウツと診断されていろいろと本を読んだりして知って行く。それでもわからないことがあって、ツレと暮らすことで学んでいく。
それが自分の生き方にも反映される。
ハルさんのお母さんが言う「幹夫さんがウツになったから、いろいろわかった」って。
頑張らない人生の事とか。

クリニックの人たちがいつも思っている事は「私たちが生きている意味ってあるんだろうか?」って事だと思う。
上昇志向や完璧志向が強い彼らだからずっとそのことを考えてる。思うように働けないで、人の役に立てないで歯がゆい思い。

私はいつも意味はあると思うんだけど、それが伝えきれない。
でもこの映画で良く言ってくれてると思った。
病気になることで周りの人が学ぶことや気付くこと、それを自分の人生に生かしてより健康な生き方をすることが出来る事。
それに病気の人が回復して行くのを観るのは周りの人にとってはとても元気の出る事。

それぞれの家庭や世の中はいつも元気で健康とは言えない。そのひずみがその人たちによって現される。
それを見て、家庭の不健康さや世の中の病的な部分が是正されていくのではないかしら。
それがなかったら気付いたときには被害が膨大になってるのではないかしら。

人ごとと思って「あの人たちは意志が弱いから、我慢や頑張りが足りないからああなってしまったんだ。」で片づけてしまったら、その気付きは得られない。
寄り添って受け入れる事でいろいろなことに気付く。

映画でも言ってる通り、だれにでも罹る可能性のある病気。なんだって。

それでもハルさんの暮らし方から学ぶことが大きい。彼女は巻き込まれてない。一緒に落ち込んだり、諭したり、非難したりしない。
この姿が奇跡の姿だと思う。ファンタジーだとしたら、ハルさんの存在。
なかなか出来ない。

このブログを書いている目的の一つはそんなクリニックの人たちからの授かりもののおすそ分け。
個人的な事をできるだけ入れないで、少しでも伝えられたらと書いています。
彼らの生きている意味。あると思う。だれかの役に立たなくても居るだけで。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする