◆厳しい状況下での最大限の努力!
陸上自衛隊第13旅団を中心に編成されたハイチ共和国国際緊急医療援助隊の活動実績が統合幕僚会議HPに掲載されていました。http://www.mod.go.jp/jso/index.htm
ハイチ共和国国際緊急医療援助隊の活動はレオガン市において1月23日から実施されています。毎日の活動実績は、23日:20名、24日:28名、25日:47名、26日:66名、27日:82名、28日:141名、29日:138名、30日:168名、31日:155名、1月23日~31日までの活動実績の累計は845名、とのことです。
さて、皆さんはお気づきの方もいるかもしれませんが、今回はC-130H輸送機による展開ということで、輸送機に搭載できる能力には限界があるので、写真のような救急車や野外手術システムといった装備は持ち込むことが出来ないという、厳しい状況下での活動となっています。しかし、最大限の医療活動を行っている、ということが数字から見てとることができます。
地震発生から派遣決定までの時間が長く、現在の政権は国際緊急人道支援について、判断に非常な時間がかかり、結果としてハイチへの展開が各国に比べ大きく後れ、地震国日本が救える命が救えなかった、という事は先日記載した通り。そこで現在、第5旅団を中心としたPKO部隊の派遣を準備中という状況です。
こうした中で、PKO部隊の派遣はもう少し先になるのですけれども、それまでの期間、地震で厳しい状況下においても医療支援を行っているという実績が、続くPKO部隊の受け入れに対する現地での理解に繋がる、ということができるかもしれません。現地の施設科部隊への需要は未知数ではありますが、派遣する以上、現地での活躍は期待したいところですね。
ハイチには、航空自衛隊も派遣されています。こちらの活動実績も発表されていましたので列挙してみましょう。ハイチ空輸援助隊の活動は17日から開始されており、17日にはJICA国際緊急医療チーム25名、そして物資5㌧を搭載しハイチへ展開、復路にアメリカ合衆国マイアミまで米国被災民約30名を輸送しました。
23日から27日までの期間は陸上自衛隊の医療援助隊100名を輸送、29日には医療援助物資などを輸送、31日に医療援助物資の輸送を行いました。輸送機の数は充分ではありませんし、C-130Hにはハイチは遠い場所です。幾度か給油へ着陸しても、現地へは数日を要しますし、最初の機体はアメリカでの訓練を終えての文字通り緊急派遣でした。
こういう状況下で運用体系を構築中である空中給油輸送機KC-767、この機体は貨物輸送機としても高い能力を持っています、実任務運用が出来れば、とか、先日初飛行を果たした航続距離と搭載量の大きいXC-2があれば、と思わずにはいられないのですが派遣部隊は、このように厳しい状況下での最大限の努力を行っているようです。
HARUNA
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