◆アデン湾海賊対処
2月24日の防衛省発表によれば、2月20日、海上自衛隊ソマリア沖海賊対処任務第三次派遣水上部隊は第四次派遣部隊に任務を移管し、帰国の途に就いたとのことです。
第三次派遣水上部隊は、護衛艦たなかみ、はまぎり、から編成されていて、ヘリコプター四機を搭載しています。派遣部隊が実際に行った護衛任務の回数は34回、護衛対象となった船舶は283隻で、一回の護衛任務では平均して8隻から9隻の船舶を警護対象として護衛を行った、という事になります。
283隻のなかで、日本船籍の船舶は2隻、日本の海運事業者が運行する外国籍船は65隻、この65隻のなかで日本人が乗船する船舶は3隻だったとのことです。したがって200隻以上が海賊対処法以前の海上警備行動では護衛することが法的に出来なかった、ということになり、逆にいえば海賊対処任務が世界の海運に対して少なくない役割を果たしている、という事も出来るでしょう。
第四次派遣水上部隊は、護衛艦おおなみ、さわぎり、から成る部隊で、現在任務を遂行中です。日本の護衛方式は、防衛省への申請をもとに現地で集結、船団を組み、その周辺を護衛艦とヘリコプターが哨戒するというもので、集結地に集結し、もっとも船足の遅い船を基準に船団を組むというものですから、海運の効率上では問題もあるのですが、確実な護衛が可能な方式です。
しかしながら、海上自衛隊が派遣している現在の二隻体制は、数として充分なものかと言われればそうでもないようで、実際問題として派遣可能な上限を2隻、としたものです。一回派遣してそれでお終い、ということならばもっと多くの護衛艦を派遣できるのですが、交代と日本での訓練、日本周辺での哨戒を行う事を考えると、どうしてもこの数字に収まったという事なのですが、海賊事案はいつ終息するのか、未知数、というのが一つの悩ましいところでしょう。
HARUNA
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