◆名古屋鉄道226!
本日は226の日ということですが、本日を以て名鉄7700系の定期運行が終了するとのことです。パノラマカー最後の血統の最終章、本日は、この話題を掲載します。
名鉄7700系は、7000系、7100系、7500系、7300系と続いた名鉄7000系列の最後に当たる電車です。7700系は全長18.8メートル、名鉄電車としては平均的な大きさで、重量は36.5トン、座席定数は66席、乗車定員は100名。7100系と同じS形ミルデン方式のFS384台車を採用しています。
主電動機はTDK825/3A2で、こちらも7100系と同じです。制御装置は7000系共通のMC-11で、制動装置も7000系共通のHSC-D,製造は日本車両です。基本的には7000系パノラマカーとの連結を考えた車両でして、最後の方にはパノラマカーと連結運転も復活しているのですよね。
支線にもパノラマカー並の車両を、ということで7700系は開発されたもので、パノラマカーは車体が大きく構造限界に引っかかってしまう路線も多いことから、運転台を7000系の二階に上げたものから、通常型の運転台に改めた設計となっています。これで、電化された路線のほぼ全てに乗り入れることが出来ることとなりました。
7700系は、7000系のような展望席こそありませんが、7700系は、特急用の7000系白帯車と同じものとなっています。正確には7000系八次車と同じ車内というべきでしょうか。見た目は全く違いますが、座ってみますと乗り心地や車内の雰囲気ははパノラマカーの白帯車と同じな訳です。
もともとは四両編成のものと、現在の二両編成のものが製造されているのですが、四両編成のものは中間車を7000系の中間車として供出して、四両編成の編成を二両化、二両編成のものだけとなりました。1983年には車内を近代化します。そして車内は、現在の7700系のものとなるわけなのですね。
1983年には、7000系に座席指定席券、今日の特別車両券にあたるものですが、この実質的な特急料金が必要な特急として運用するに当たって、シートの個別化をはじめ、車内の通路部分を改めるなどして、特急車という名に恥じないリニューアルをおこなって、急行車との差別化をはかります。
リクライニングこそしませんが、なかなかの座席で、これにより、支線の特急としても運用することができるようになりました。しかしながら、悲しいかな吊革は装備されていますし、車内広告なども下がっていたりする訳です。特急運行のときは取り外したのかもしれませんが、このあたり白帯7000特急を利用した時の記憶があいまいです。
先ほど書きましたように7700系は、普通電車として運行されることもあり、これは7000系の白帯車の普通電車運行でも言えることなのですけれども、そのときは運賃だけで指定席券不要で利用できる車両なのですが、特急から普通へ、運用上は重宝されました。JRでいえば183系や583系等の快速運用というところでしょうか。
もちろん、ラッシュ時に特急を利用しよう、という事で座席指定席券を購入して、昼間普通電車と同じ電車がやってくるとがっかりするでしょうし、扉は通勤輸送を考え2扉は中より、自販機やお手洗いはなく、客室とデッキも仕切られていませんので、冬季には扉を開けた時に寒風が吹きこみます。
その後、7700系は、1000系パノラマSuperの導入や、支線には8800系パノラマDXの導入で、特急運行から退いていきます。支線は三河線の普通電車用として改修され、ワンマン運転対応型に改造され、知立駅で特急を望見しつつ豊田市や刈谷市、碧南市とを結び遂に最後のときを迎えるという今日にいたります。
7000系といわれれば昨年に惜しまれながら引退した展望車を備えた電車、7000系パノラマカーの系統にある最後の電車です。小田急電鉄やJR九州、そして一時期JR北海道がリゾート特急として多用した特急車に展望車がありましたが、1961年に運行を開始した名鉄パノラマカーは、展望席を持つセミクロスシートの車両でありながら、特急料金を必要としない急行や普通電車にも充当された、身近な電車ということで特筆したい電車でした。
セミクロスシートではありますが、ロングシートの部分は扉付近の乗り降りに必要な空間を確保するために二人用ロングシートを配置したというわけで、乗ってみますとかなり居心地のいい電車、といえました。もっとも、通勤輸送では、名鉄は名古屋を起点として、岐阜、豊橋、春日井、一宮、岡崎、犬山、蒲郡、常滑といった周辺都市をと結ぶ電車路線を形成していましたから、特急といえども停車駅は多かったのです。
京阪や阪急が京都と大阪を中心に特急が結び沿線都市からも輸送を担う、というような大都市間を結ぶ輸送とは根本的に異なったものがありました。だから、京阪や阪急の一昔の特急のように、大阪を出発すれば京都まで殆ど停車しない、ということもありませんでした。片側2扉車のパノラマカーは、通勤客には、特に普通電車や停車駅の多い急行で運行されたときには、クロスシートで収容できる人数が限られていて、しかも、名古屋や金山といった大人数が乗り降りする駅以外で利用する人には好評とはいい難かった面もあるようです。
ただ、そうはいってもクロスシートの車両を名鉄が多く運用している、ということで、国鉄時代には国鉄もクロスシートの117系を新快速で投入しましたし、JR西日本の223系と並んでクロスシート130km/h運行が可能な313系が導入されるに至ったわけです。京阪神と並び、東海地方に快適なJR車両が走るのは、名鉄との競争があってこそ、ともいえるのでしょうね。
こうして頑張ってきた7000系の系譜ですが、7500系、7000系、7100系、とともに仲間は減ってゆき、ついに本日7700系が定期運行から離れました。今回掲載した7700系の写真は2月18日に撮影したものですが、定期運航から離れたのち、三月にさよなら運転を行う予定、名鉄の一時代を築いた7000系列の電車は、ここに終点へと到着することになるようです。
HARUNA
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