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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

愛の孤独と結婚!(時間と空間の旅 ② 9/10)

2014-02-16 | 第一章「意識と知覚」

 額田王が生きた7-8世紀。この時代は今の日本の原型ができた時代と言ってよいのではと思う。官僚制度も宗教的基盤も法律や戸籍も・・・。しかし、それには随分産みの苦しみがあったように思う。そこにはたくさんの悲劇的な女性も登場する。

 父を謀殺した人の妻になったり、父を夫が殺したり、政治の道具として結婚させられたり、時には結婚させられたあとに別の男性と結婚させられたり、夫がつぎからつぎに公認された妻をもったり・・悲劇の女性の多くは、心を病んだり自殺をしたり・・・それは今も昔も変わらないが、反対に、そんな中でも力ずよく生き抜く女性もしっかりいる。

 先日、黒岩重吾さんの「茜に燃ゆ」を読み終えたが、愛の孤独についていろいろ考えさせられた。ちょうどU先生がブログで愛の孤独を思索するうえでの6つのポイントを書かれていたが、不思議なことにこのポイントは全部この小説の中にあるようだ。難しそうではあるが、不思議に説得力があるポイントだ。

(1)宗教学的な領域、(2)臨床心理学的な領域、(3)動物との間の領域、(4)植物との間の領域、(5)宇宙との関係性の領域、(6)相対的な領域

 ちなみに、空間的には飛鳥や奈良、近江、難波、紀伊白浜温泉、四国道後温泉、九州博多、朝倉京などが登場するが運よくほとんどの土地に行った経験があり、この本を読みつつ五感体感で再体験しているようだった。

 また、よく言われることでもあるが、「愛される」よりも「愛すること」が大事だということも、いろいろ考えさせられた。額田王が生き抜くポイントは意外に、単純だったかもしれない。その時々に愛する対象を作りしっかり愛したともいえる。

 ふと、青年時代のことを思い出す。学校を卒業して、社会人になると単身赴任(結婚していないので当然だが)で大阪で5年暮らした。そして、エリクソンでいうと愛の時代(23歳~34歳)であったこともあり、孤独感も感じたようだ。一人暮らしは楽しいこともあるが、病気の時など大変なこともある。孤独は、どうも愛を深めるところがあるようだ。「愛される」よりも「愛すること」への転換はそんな経験からにじみ出てくるかもしれない。

 そして、大阪で結婚したのだが、それは防衛機制でいうと補償なのだろう。

時間と空間の旅 ②9/10

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