「量の理論」については数学教育協議会の遠山啓とか銀林浩両先生の本に詳しい。
その量の理論も小、中学校くらいでまでしか有効でなく、高校、大学ともなると一筋縄では行かなくなるとは学習会でY.Y.先生から聞いてはいた(これは森毅さんの本にも書かれている)。どういう風にすっきりしなくなるかは知らなかった。
外延量が示量変数に対応し、内包量が示強変数に対応するといま作成している授業のプリントに書いたが、それが本当かどうかを調べているうちにそのことは解決がついていないが、量の問題が高校、大学レベルでは問題なことを具体的に知った。
これは高橋利衛著「基礎工学セミナー」(現代数学社)に出ている。
Wikipediaの量の説明にも遠山さん自身がそのことに触れているとのことが書かれているが、そちらの方は昨日彼の著作集を引っ張り出してチラッと見たところではどこにそんなことを書いているのかわからなかった。
要するにある量が内包量だと思っていたのが、外延量だとも思える場合があるというような指摘である。これだと理論としての足場が揺らいでしまうということになろう。
それで遠山さんとか銀林さんはそういうことを知っていながら、小学校や中学校での量に対する見方が揺らぐことを恐れてその点にはあまり触れなかったのであろうか。
しかし、Y.Y.先生が決然として言われていたように小学校や中学校でのいわゆる「量の体系」の有効性は揺らがない。その点が大切な点であろう。