「窓を開けよう」とかいうのはロマン・ロランの小説の言葉だと思うが、それほど印象的な言葉のつもりではない。「カーテンを開ける」というのは冬の暖房の費用を節約するのにカーテンを閉めているといくらか節約になると聞いたのでこの冬は部屋のカーテンをずっとしていた。
その分部屋が暗くなる。それがこの頃は大分暖かくなって暖房が要らなくなった。それでカーテンを開けたというわけである。それに今日は昨日の雨空から一転して晴天である。外の空が明るくなっている。瀬戸内海地方は日本の地中海であり、気候が温和であり、冬でも寒い時期は少しである。それにこの頃の地球温暖化である。今年の冬は極めて寒いときはあまりなかった。
ヨーロッパの人で裕福な人たちは老年を地中海沿岸の都市で余生を送るが、それにあたるところが日本では瀬戸内海沿岸地方である。その上瀬戸内海は島とか多くて景色がいい。
私の出身地である 今治市の近くの来島海峡の美しさはひときわである。地中海沿岸でギリシア地方などと引けをとらないのではないかと思っている。もう一つ知っているのは瀬戸大橋のある岡山側の鷲羽山から見た瀬戸内海の景色も美しい。これは瀬戸大橋ができるずっと以前に岡山出身の大学の同級生がそういっていたのだが、それを聞いてからまもなく実際に鷲羽山を訪れてその美しさを実感した。
小学生か中学生のころにはじめて近見山に友人と登ってはじめて瀬戸内海の島や海を眺めたときの感激を忘れてはいない。まるで箱庭のように見えた。船は遠くから見るとほとんど動かないように見えて、まるでおもちゃの箱庭だった。
来島海峡での海峡とは海の狭くなっているところだということを意識したのはごく最近である。ドイツ語で海峡という語が出てきて、それはdie Meerengeというのであった。
Meerは海でいいが、engeとは狭くなった道という意味らしい。形容詞でengというと部屋が狭いというようなときにengという形容詞を使う。