物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

本の判定基準

2010-10-28 12:01:47 | 本と雑誌

ヒッポファミリクラブの出版物だった『フーリエの冒険』『量子力学の冒険』が復刊されるらしい。私は元の版をもっているので、復刊本を必要とはしないが、それでも復刊は結構なことだと思う。

だが、『量子力学の冒険』の方でいつだったか朝永の『量子力学』I (みすず書房)を読んでもう一つはっきりしなかったところをこの本でどのように書いてあるかを見てみたが、残念ながら私の疑問を解消するようには書かれていなかった。しかし、これは私の疑問なので普通の人には十分わかりやすく書かれていると思う。

複素解析(関数論)の本では新しく発行された本を書店で見たら、すぐに分岐点の定義と解析接続のところをどのように書いてあるかを見るが、両方とも私の満足できるような書き方をされたものはまだ見かけたことがない。

もっとも、分岐点の定義の方は私の『数学散歩』(国土社)で元愛媛大学教授だった安倍斉先生の定義(『応用関数論』(森北出版)にある。これと同じ定義がベルの『数学を作った人々』下巻(東京図書)にある)を紹介したので、解決済みだ。他では見たことがない。

しかし、解析接続の方は松田哲さんの『複素関数』(岩波書店)の解析接続の書き方が一番いいと思うが、もっと詳しく書いたものがほしい。

初等的な物理の本でいうと、交流回路の電流回路でコイルやキャパシタが入っているときに交流電源の電圧が正弦波で変化するときに電流の位相が遅れたり、進んだりするが、その説明をきちんと書いてあるかどうかがその本がいいかどうかの私なりの判定基準である。

もちろん、こんなことはとても細かなことだとは思うが、そういうことにも配慮が行き届いていることを私自身は複素解析とか物理の本の判定に使っている。

他の分野の本にもいろいろ私なりの判定基準をもっているのだと思うが、いま当面思いつくことはこんなことである。