物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

あるドイツ人の述懐

2010-10-06 12:43:38 | 日記・エッセイ・コラム

あるドイツ人(東ベルリン出身)の話を10月3日の国際交流会で聞けた。彼はいま日本に住んで、千葉のある私立大学のドイツ語の教師として勤めている。

彼がいうのは東西ドイツが分割されたときに、西ドイツの方はそれほど賠償を支払うことが厳しくなかったが、ソ連からの賠償取立てがきつくて、ほとんど東ドイツが共産圏への賠償の支払いをした。このときの賠償額は西ドイツが支払ったものよりも数倍多かったという。

それで東ドイツが貧しかったというが、そういう出発点での歴史的ないきさつがあるという。それにしても、その後には東ドイツは勤勉な国民性によってかなり発展を遂げたことは知られているが、これは並大抵のことではなかったであろう。

もっともこれは西ドイツと比べれば相対的にはかなり貧しかったらしいが、それでも食べるのに困ったということは戦争直後を除いてなかったらしい。

それから1990年のドイツ再統一以来、西ドイツであった州からの援助が大きくあったと言われているが、これは税金では旧東ドイツに属していた州も同様に納めているということである。だから、西が東に対してだけ復興援助していたわけではないという。もっとも東の領域は西の領域の1/3であるから、西からの財政支援があったことは確かだろう。

現在、東にいた女性の多くは西の州に移っており、男性の多くは東の州に残っているという。それで失業率が高く10%を越えているという。また、収入が西の州と比べて数十%まだ低いので、それが問題だという。

そのほかのことも聞いたのだが、覚えているのはこのくらいである。