物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

続々、平方根の近似値

2010-10-09 13:12:21 | 数学

昨日「平方根の近似値2」を書き上げたと思ったが、この作業中に、間違ってはいないが、書き方のよくないところを昨夜見つけた。

これは近似値の実際の計算に関してである。出発値のとり方がよくなかったのでとても収束がおそかったが、もっと収束の早い出発値を見つけた。出発値のとり方に関して一寸した誤解をしていたようである。それで今日はその改定をするつもりである。

この近似値の求め方を「バビロニアの算法」と私が勝手に名づけたが、これと「平方根の近似値1」で論じたニュートン法の求め方とは考え方はまったく別のように思えるのに、求める式は同じになった。これは何を示しているのだろうか。これはまた「へロンの開平法」といわれるものとも一致している。

対象が同じなら、その対象に迫る考え方はいくつもあり得るが、その結果は同じとなるという科学においてよく知られたことを表すのだろうか。

考え方は違うが、同じ結果を示すといわれる事実の、よく知られた例として量子力学のいろいろのヴァージョンがある。

マトリックス力学だとか波動力学だとか、はたまた経路積分による量子力学だとか、このごろはstochastic quantizationというのもあるらしい。

昔みたいにマトリックス力学だとか波動力学とかいう語は使われなくなったが、それでも考え方としてはいまもその痕跡が量子力学のテクストに残っている。

平方根の近似値に話題をもどすと、ニュートン法は平方根の近似値を求めることができるが、その方法は平方根でなくて、立方根を求めるときにも、はたまた一般の高次の代数方程式を数値的に解くときにも使える。だが、ヘロンの開平法やバビロニアの算法はこういうものには適用できそうにない。そこがちがうところだろうか。

だが、それぞれの考え方はそれぞれ別の応用をもっているのであろう。