秋山仁さんの高校数学の参考書を古書で最近少し意識して買い込んでいる。
4,5冊買ったのだが、私が文字タイルと呼んでいる、代数の式を長方形で表す方法があり、彼らと類似の方法は最近完成した、私のe-Learningのコンテンツでも用いた。
文字タイルは私が愛媛県数学教育協議会の学習会でこの25年以上学んだ結果で、亡くなった矢野寛(ゆたか)先生の見解の体現である。
そのことについて私のe-Learningのコンテンツのあとがきで書くべきだったのに、書いてないのであとがきを修正すべきだと思っている。
文字タイルの取り扱いは秋山仁さん一派も同じようだが、細かなところでは私たちとの違いもある。しかし、その違いはあまり大きなものではない。
2次3項式の因数分解を、私はこれらの式の因数分解とは、文字タイルの長方形をどうつくるかということだと捉えている。その縦、横の文字タイルの長さがそれぞれの因数になっている。
また、定数項を素因数分解した長方形を文字の2次の項の文字タイルに対して逆対角線上に配置する。そしてそれから2次の項の文字タイルの右横と下側に1次の文字タイルをどのように配置するかを考える。これが矢野寛さんが私たちに教えてくれた因数分解の仕方である。
この書籍、数研出版の「作って試して納得数学2」を文字で読んだのではなかなかわからないが、そういう考えの細かな違いがある。
だが、文字タイルの使用は他の高校レベルの本では武藤徹先生の本を除いてあまり見かけたことがないので、優れた本なのであろう。これがこの本を一瞥しての感想である。この本の「その1」の方はまだ手に入れていない。
さらに、別の本だが、「大数学者に学ぶ入試数学1A」の中に平方根の近似値の求め方で、バビロニアの算法という、調和平均と相乗平均と相加平均の間に成り立つ不等式を用いて、平方根の近似値を求めるという方法の説明がある。
この方法はいつかフォトランの解説書で読んだような気がするが、他では見かけたことがない。これについてはいずれ「平方根の近似値2」として数学エッセイを書くつもりである。
しかし、いろいろ本を買い込んでみてもなかなか新しいことは見つけられない。
残念である。ということは私のe-Learningのコンテンツを見る人も同じ感想をもつのだろうか。
(2012.2.24付記) バビロニア算法による平方根の近似値に求め方についてはエッセイをすでにまとめていたが、最近ようやく愛媛県数学教育協議会の機関誌「研究と実践」に投稿した。
1年以内くらいでこれが誌上に出るだろうか。