解析接続の例を書いた本を前から探している。
最近といっても数年前(2008)に出版された本にその例が載っていることをアマゾンコムの書評で知った。それでその本を購入した。
これはいつかこのブログでも書いた話題なので、新しい話題ではないが、解析接続の仕方は普通どの複素解析の本にでも載っている級数展開によるものだけではない。
それを具体例で示したというか、解析接続の方法を意識して書かれた本としては私の知っているものでは松田哲著『複素関数』(岩波書店)が今のところ一番いいように思うと前にも述べた。
いろいろな解析接続の手法があると書いていたのは今村勤著『物理と関数論』(岩波書店)であるが、これにはその例はあまりあげられていない。もちろん定理の証明とかは上がっていたと思うけれど。
それでその辺のことをこのブログでも述べたことがあるが、新しく購入した本は飽本一裕著『今日から使える複素関数』(講談社)である。
この本には例が出ているし、その解析接続の手法もやり方の項目もあげられており、例もいくつか載っている。だが、鏡像の原理による解析接続の例はあげられていない。
いや、あげられているのかもしれないが、まだよくは読んでいない。ともかく私の知りたい気持ちの幾分かは満たされたが、まだ全部が満たされたわけではない。
飽本さんはプラズマ物理が専門らしく、ひょっとすると私の友人の Y さんが大学で教えた人かもしれないが、まだ Y さんにはそのことを聞いていない。
(2011.7.25付記) 今村勤著『物理と関数論』に解析接続の例が出ていないと書いたが、昨日この本を見ていたら、そんなことはなくてちゃんと例が出ている。
実はこの書が長い間どこかに紛失してしまっていたので、どうもそういう風に思い込んでいた節があるが、この機会に訂正をさせて頂く。
ただ、もっと例が欲しいと私が思っていたことは間違いがなく、この書の例だけでは十分とは感じられない。だが、例はいくつか出ているので、私の基本的な誤りを謝りたい。
ただ、上の文は記録なのでそのままにさせて頂く。