昨日の愛媛日独協会の講演会で日本人として新MEGA編集に加わっておられる、赤間さんの話を聞いた。
1989年のソ連の崩壊やベルリンの壁の崩落の後で、日本人研究者も入った新MEGAマルクス-エンゲルス全集の編集が加速されているとのことである。これはそれまでのイデオロギーから外れてようやく独立したマルクスとエンゲルスの全集の編纂である。
ドイツと日本それからロシアの三箇国から資金が出ており、特にドイツは資金の大部分を出しているらしいが、2015年をもってその資金の拠出が終わるらしい。
日本でもこの編集の作業のための資金を1億円にはまだ満たないが、それでも多額の資金を科研費から拠出しているという。なんでもこのMEGAの既出版物の大半は日本で購入されているらしい。
日本人がこのMEGA編集に加わったことはもちろん日本の経済力を期待する面も見逃せないだろうが、やはり研究の層の厚さとその実力をも示しているものらしい。
MEGA編集には優先順位があり、学術的に価値の高いものから、編集に集中して出版していく方針だが、最終的にはこのMEGAは完成しないうちに資金切れになりそうである。
ただ、思想的にMarx-Engelsの残したものは大きいだけにイデオロギーから解放された、今こそその全集の完成を願わずにはおられない。