岐阜県に住んでいる、妻の従兄から今年もきれいな柿が届いた。数年前から妻が年末に愛媛県産の温州ミカンを送ってあげていることの返礼という感じで柿を送ってくれるようになった。
とてもきれいな柿で先日一つ食してみたがまだ、ちょっとまだ甘味が足らないから、すこしおいておいた方がよいのであろう。
ところで、この間見るともなくテレビを見ていたら、イタリア語の講座で、un caco, cachi (つづりはあまり確かではない)とか書いて単数はカコといい、複数でカキというのだという。カキは日本からきたといっていた。
本当は日本語では単数でも cachi なのだが、イタリア人は i で終わる語は複数なので、un cacoという単数をつくったという。unは不定冠詞で一つを意味するが、「ウン」と発音する。フランス語のように「アン」ではない。
ちなみにイタリア語では chi はキと発音する。決して「チ」ではない。念のため。
スペイン語ではカキ、カキスというと、複数にはsをつけるとそのときつけ加えられていた。そのスペイン語のアルファベットのつづりはいまここでは再現できない。
もう35年以上昔のことだが、ドイツで八百屋か果物屋の店頭にカキが並んでいたのを見た妻が「ああカキがある」と喜んだら、私の家によく遊びに来ていたKarl Schmidtという学生がこれはder Kakiと言って、スペインから来たのだと教えてくれた。
もともとカキの原産がどこか知らないが、原産は日本ではないかと思ったことであったが、それについて調べたことはない。いま独和辞典でKakiを調べたが、果物のカキだとは訳には載っていない。
色彩としてのカキ色として使われているらしいことは辞書からも分かる。独々辞典を引いてみたがKhakiの項にも果物としてのカキはでていない。この独々辞典にはKakiのつづりではなにも載っていない。この辞典ではdas Khakiと中性名詞である。男性名詞のder Khakiも独和辞書にはある。
いま広辞苑を引いてみたら、カキは東アジア温帯に固有の果樹で長江流域に野生、日本には古くから輸入されて栽培されていたとあった。ミカンも同じように中国原産らしいから、カキも同じように中国原産であるらしい。ヨーロッパへは中国経由ではなく日本から行ったことが考えられる。