TPPへの疑問というとTPPに反対するのかという風に聞こえるかもしれない。私の「TPPへの疑問」とはそれ以前のことである。
どういうことかというと新聞にしろテレビにしろ、はたまた、各省庁の官僚にしろこのTPPがどういう影響を与えるのかについての議論というか、その全貌がまったく報道されないし、明らかにされないことがどうしてなのだろうということである。
誰にもどういうものかよくわかっていないのだろうか。もしそうだとすれば、少なくとも日本の行政に係っている各省庁は展望に欠けていると言わざるをえない。TPPがこれからの大問題であるとするのならば、それについて各省庁を超えた勉強会をすでに開いて詳しく調査していなければならないだろう。
もっとも国民にその実体を知らさないで、ことを自分たちの都合のいいほうに進めて行こうとするのならば、それはまったく怪しからんことである。
もっとも日本の農業の産物の品質はアメリカ産品の質をはるかに凌駕しているので、TPP恐れに足らずという説を最近インターネットのおおくぼさんのサイトで見たが、本当のところはどうなんだろう。
妻によると米には200%(この数字はまったく確かでない)の輸入関税をかけているのに、工業製品は数%の輸出関税しかかけられていないのだとかいう。そうだとするとあまり工業製品についてはTPPはメリットがないように思うが、どうなのだろう。
それと主食である、米とかの食料についての食料安保という考えも理解できるが、それにしても、もし200%も関税をかけないと日本の農業を守れないという体制は、米の生産として本当にいいのかという議論があってもよいはずだ。
もちろん、食料は先ほど述べ食料安保といった観点はある得るが、だから世界的に何倍も高い米を買わなければならない国民になってみてほしいという議論もあるだろう。
ともかく、そういうTPPのすべての全貌が明らかに明らかにならないのならば、それはどうしてかという議論はあっていいはずだし、ただ農業だけの問題ではない。
むしろ、影響を受けるのは農業ではなくて、医療とか他の分野の話だという議論もあるようだが、それもはっきりとして述べられたものはない。