2次元の直交行列の例はよく知られている。3次元の直交行列の例が故梁成吉(ヤンソギル)さんの著書「行列と変換群」(岩波書店)に一つだけ載っているが、これがはじめ直交行列の条件を満たしていない、ミスプリントかと思った。
それはいつもの通りに私の計算間違いで直交条件を満たしていることはすぐにわかったが、この例をどうやって見つけたのだろうと疑問が出てきた。それでいわゆるオイラー角の三角関数を用いた直交行列でない例が本に出ていないかと思って探しているが、なかなか見つからない。
自分で9つの要素を未知数にして3次の行列を表して、求めようとして見たが、いまのところその見つけ方がわかっていない。9つの要素をすべて未知数とすると直交条件で6つの条件が得られる。それにその行列の行列式が1またはー1である条件を加えても条件は7つで、まだ2つ条件が足りない。
だから、しばらく自分でその直交行列をつくるのはやめて、数学の本の中にその例がないかと探しているのだが、その例はいままで私が探しているところでは梁さんの与えた直交行列しか見つけられていない。
もちろんこれははじめにも言ったとおりオイラー角の三角関数で与えられた例を除いての話である。
もちろん、直交行列の条件を満たす、3次の行列はなかなか特徴のある連立方程式なので、その値の見つけ方がわかれば、いくつかの例をすぐにでも見つけられるようになるのであろうが、いまのところ自分でもその例を見つけられてはいない。