昨夜のNHKのTEDカンファアランスはビル・ゲイツの講演だった。彼はいまマラリアの撲滅とか教育に彼の財団の資金をつぎ込んでいるらしい。
マラリアの撲滅も興味深いが、このブログでは教育についてとりあげたい。教育はそれを好まない学者、たとえば、武谷三男、もいるが、実はとても大事な分野だと思っている。
それは教育によって、すばらしい人々を育てることができれば、社会が必ずよい方向に変って行くからである。だが、私の関心のある、故武谷三男は学校で教育を受けることを嫌った。
これは多分個々の個人の自発性を奪うということを心配したのであろう。人から、それが教師であれ、誰であれ、押し付けを嫌った武谷らしいが、彼も研究上でグループのメンバーに研究方針を押し付けたと思われており、そのために核力グループは解散の憂き目にあった。
実際に武谷のグループの指導方針がよかったのかはなかなか判定の難しいところであるが、研究の方針を押しつけた、多分そういう風に核力グループのメンバーからはとられたのではないかと思う。
話がとんでもない方向に行ってしまった。元に戻そう。
ビル・ゲイツはいう。若い先生がすばらしい教師か。No. 若い教師でいろいろと進歩が見られるのは新任の3年まで、あとはまったく進歩しない。修士号をもっている先生がいい先生か。No. 統計で見る限り最低の先生が修士号をもっている教師だと。
これはアメリカの話で日本の話ではないだろうが、それでも多分そんなに日本でも違ってはいないだろう。
ある優れた学校か教師の集団があるのだと話していたが、よくはわからなかった。だが、ビル・ゲイツが教育を重視していることはわかった。優秀な教育を広めて行きたいとの気持ちも伝わった。私も彼の主張に全面的に賛成である。
確かに政治、経済、工業、科学技術も、はたまた大学も日本の現状ではどうなることかと心配になるばかりである。しかし、誰かが社会を変えなくてはならない。
それはどこから変えるか。多分教育以外にはない。そう思って自分にできる小さなことをやっている。
それはやはり人間であろう。それもすべて会社人間ではない、人間であろうか。もっともそういう志の高い人を教育できるのかどうかは心もとない。
多分にそれは単に学校教育の問題ではなく、もっと根源的な家庭環境によるのかもしれない。