英語の言語資料データ等でコーパスという語を前から聞いていたが、その意味は知らなかった。先日の朝日新聞にコーパスとは英語で全集の意味だとあった。
あれ、そんな意味だったのかとはじめて知ったのだが、その綴りが分からないのであてずっぽうで英和辞典を引いてみたが、どうも行き当たらない。
それで困ったときの広辞苑頼みということで広辞苑を引いてみたのだが、まだコーパスは広辞苑(第6版)には採録されていない。
大抵、私がカタカナ語で困ったときにはこの広辞苑が役立つのだが、今回は手がかりなし。
大きな岩波の英和大辞典を引いてみたのだが、これも該当の語は私の見当をつけた綴りではなかった。しかかたなく妻にどこにも出ていないと告げたのはその新聞をみた朝であった。妻も自分の英和辞典を引いてくれたが、見つけられなかった。
仕方なく、仕事場に行ってなにか仕事を始めていたが、コーパスという語の新しい綴りを思いついたので、小学館のプログレッシブ英和辞典を引いてみたら、そこにやっと見つけた。
それによるとコーパスはcorpusの意味は
1.(文書・法典などの)集成、大全、全集、コーパス、言語資料
2.元本、元金
3.(解剖用語)(特別な性質・機能をもつ)体
とあった。
私が知っていた意味は1の中の「言語資料」という意味だけである。もっともその意味はおよそ見当がついていたが、それを普通の日本語でどういうかは知らなかった。それに今は「全集」という意味を知ったわけである。
大体、言葉なんて、万足卓さんの「ドイツ語への招待」(大学書林)に主張されているように辞書と文法書をくびっぴきで学ばならぬとすればなかなか学べるものではなかろう。
やはり辞書などによってではなく、普通に使われているのを聞いて言葉は、覚えるものである。
それで思い出したことがある。大学で教わった、あるドイツ語の先生は「辞書も引いて来ない学生は嫌いだ」とおしゃられていたのを思い出した。
いつも辞書など引いたことのない身には身が縮まる思いが今でもするが、そういわれたH先生はドイツ語の達人だったからだろう。
兄のドイツ語のM先生が、「H君は松山高校始まって以来ドイツ語がよくできた」といつも言っていたと兄から聞かされていた。このH君こそ私の教わった、H先生であった。
その後、H先生は松山高校の後身のE大学法文学部に教授として転勤されて、数年在籍されたが、そのころ私も同じ大学の工学部に勤めていた。そのころH先生にときどき学内でお見かけしたことがあった。いまでもご健在だろうか。
いつものごとく、コーパスの話題から変な方向へ話がそれてしまった。