以前に、表題をもつ、数学エッセイを愛媛県数学教育協議会の機関誌「研究と実践」に発表したことがある。
ところが、それを代数的な観点だけではなく、解析幾何的な観点も踏まえて書き直して別のところへ発表したいと思うようになった。
これは「四元数の発見」という徳島科学史雑誌に投稿した論文の執筆中にどうもその考えが強くなって、本来の「四元数の発見」の完成が遅れたといういきさつがある。
それでも「四元数の発見」の原稿が優先されるので、その気持ちを抑えていた。
そちらの作業も終わって、ここしばらくの間はルーティンの仕事がない。自由に仕事ができるはずなのだが、なかなか考えがまとまらない。
原始ピタゴラス数を図形的に求めるということで、松坂和夫先生の『数学読本』2(岩波書店)に紹介にある図が表題と関係があるのだ。また、最近購入したF. Kleinの本でも同じ図を見かけたので、関心が深まっている。
これらの説明にはもちろん三角関数の不定積分のときに表題に述べた置き換えをするということへの言及がないのだが、もちろん松坂先生はそのことを忘れておられるはずがないし、F. Kleinの本も同様であろう。
Kleinの方はドイツ語から訳された英文をあまり十分に理解できていないので、大学の図書館に行って、元のドイツ語から日本語への訳本を見て見ようと思いながら、そのままになっている。
一松先生の『解析学序説』上(裳華房)にも同じような図がでているのだが、こちらはどうしたことか図の角度が -90 度回転したようになっており、それには説明がない。
前にこのエッセイを書いたときにはもちろん自分なりの解釈を付加しておいたが、松坂さんやKleinの図の方が一松さんの図よりもわかりやすい。
そういうことにここ数日悩んでいる。
(2016.8.10付記)表題のことについて「数学・物理通信」5巻11号に詳しく書いたので、関心のある方はそれを参照してほしい。誰でもインターネットで「数学・物理通信」で検索すれば当該の号にたどり着くことができる。すくなくとも私には今これ以上のことを書くことはできない。