先日の日曜日に法事で I 市の兄の家に帰った。そのときに兄に送った『四元数の発見』の感想を聞いたら、わかり難いという。
「そんなはずないのだがな」とそのときに答えたのだが、よく考えてみると私とか2歳上の兄は高校数学で行列(マトリックス)を学ばなかった世代であった。だからその知識があるなしが『四元数の発見』の理解に大きな障害になっている可能性がある。
5歳年下の妻に聞いてみても行列を知らないようだから、高校数学で行列を学んだ世代は私たちの子どもの時代まで下がるのであろう。
それが、今年4月から高校に入る新入生ぐらいから、高校数学でまた行列を学ばなくなるというのはどうも時代逆行ではないか。
もっとも高校数学では行列の行数と列数は2行2列に限るという制約があったと聞くが、それだって行列を学んでいるのといないのでは大変にちがうのではないかという気がする。
私は理学部で学んだから、いまほど「線形代数」全盛の時代ではまだなかったが、それでも行列を学んだ。それに物理の量子力学では行列力学といわれる分野があり、これは量子力学では必須であるから行列を知らないでは済まされない。
古典力学でも私たちのテキストとして使われた、寺沢寛一の『力学概論』(裳華房)は行列をフルに使った記述であり、その当時としてはモダンなテキストであった。
(2015.1.29付記) マトリックスを使った最近の力学の本では山本義隆氏の著書「力学と微分方程式」(数学書房)がある。これはもう詳細は忘れたが、位相空間での大局的な微分方程式の解を積極的に示してあるところがいいと思っている。
また力学の理論を展開するのにマトリックスを積極的に用いているところがいい。
「そんなはずないのだがな」とそのときに答えたのだが、よく考えてみると私とか2歳上の兄は高校数学で行列(マトリックス)を学ばなかった世代であった。だからその知識があるなしが『四元数の発見』の理解に大きな障害になっている可能性がある。
5歳年下の妻に聞いてみても行列を知らないようだから、高校数学で行列を学んだ世代は私たちの子どもの時代まで下がるのであろう。
それが、今年4月から高校に入る新入生ぐらいから、高校数学でまた行列を学ばなくなるというのはどうも時代逆行ではないか。
もっとも高校数学では行列の行数と列数は2行2列に限るという制約があったと聞くが、それだって行列を学んでいるのといないのでは大変にちがうのではないかという気がする。
私は理学部で学んだから、いまほど「線形代数」全盛の時代ではまだなかったが、それでも行列を学んだ。それに物理の量子力学では行列力学といわれる分野があり、これは量子力学では必須であるから行列を知らないでは済まされない。
古典力学でも私たちのテキストとして使われた、寺沢寛一の『力学概論』(裳華房)は行列をフルに使った記述であり、その当時としてはモダンなテキストであった。
(2015.1.29付記) マトリックスを使った最近の力学の本では山本義隆氏の著書「力学と微分方程式」(数学書房)がある。これはもう詳細は忘れたが、位相空間での大局的な微分方程式の解を積極的に示してあるところがいいと思っている。
また力学の理論を展開するのにマトリックスを積極的に用いているところがいい。