とは「アペリチーフを飲む」という意味だという。アペリチーフaperitifは食事がすすむように食前に飲むアルコールで、飲むのはキルシュkirschというサクランボの酒などがある。赤のワインなども飲むのであろう。
30歳半ばになるまでそういう習慣があることもあまり知らなかった。Mainzというライン河畔の町に1976年4月から1977年3月まで1年ほど住んでいたのだが、そこに居られた日本人の哲学者 K さんと知り合って彼の大学内にある宿舎に訪ねたところ出された、アペリチーフが多分このキルシュだったと思う。K さんは同志社大学の哲学の先生だったが、数年前に亡くなった。
知り合って間がないころにオニオンスープがおいしいところがあるからと、ライン河畔の郊外のレストラン(Weinstube?)にワインを飲みにつれてもらったことがある(注)。
もちろんマインツ在住の日本人の知り合いがかなり集まってそこに行ったのだった。夏の間は日本でいうとビ―アガーデンのようなところである。明かりの提灯というのかランタンが連なって灯ってついている。そういうところへみんな車で出かけるのである。今では変わったかもしれないけれど、当時は少なくともワイン一杯を飲むだけなら、法律違反とならないと聞いていたからなかなかおおらかであった。もっとも運転もできないくらいに飲んで運転すれば、法律違反となる。
昨日というか今日というのかわからないが、NHkの「旅するフランス語」で常盤貴子さんが相方のドミニックと一緒にフランス人のお宅を訪ねてフランス人家庭での家庭料理としてのconfit de canard(コンフィ ドゥ カナール)を食べるという放送だった。そのときに冒頭に述べたアペリチーフを飲む場面があった。なかなか料理もおいしそうだし、飲物もおいしそうであった。それに雰囲気がいい。
実際のところは私は下戸ではないが、それほどアルコールを飲むという習慣がない。
(注)オニオンスープなどというとお前はドイツ語を知らないのかといわれそうだ。ドイツ語では-e Zwiebelsuppe(ツヴィベルズッペ)という。ジャガイモder kartoffel(カルトッフェル)と玉ネギdie Zwiebel(ツヴィベル)はドイツでは欠かせない食材であろう。