藤森良蔵のはじめた考え方は受験のための塾であろうか。同じようなことを星野華水がはじめたのが、数研出版の源らしい。
だから、私などが思っていたものは唯一ではなかった。いまでは考え方は知る人がある程度以上の年齢の人でなければ知らないであろうが、チャート式数学とかチャート式物理とかまであるようだ。これは数研出版という出版社が存続していることと関係があろうか。
一方、考え方の方は考え方社という組織は昭和30年代半ばまではあったが、出版社としては存続できなかった。もっとも昔の人にはチャート式よりも考え方の方が有名かもしれない。
私は藤森良蔵さんは知らないが、藤森良夫さんの高校の数学の学習参考書はもっていた。現在でもこれをもっている。藤森良夫さんがその後どうされたのかはよくは知らないが、東洋大学の数学の先生として勤められたというふうに聞き及んでいる。
仮説実験授業で有名な、板倉聖宣さんが藤森良蔵さんのことを書かれた本があるのを知っているが、そのころはまだ良夫先生が存命であったらしく、板倉さんは良夫先生から考え方社の出版していたい書籍等の寄贈を受けたというふうに書かれていた。
だからひょっとしたら、考え方社の出版された書籍等が板倉さんのおられた国立教育研究所に保管されているのかもしれない。