昨日(2019.10.30)の朝日新聞に斎藤幸平さんという若い経済学者のインタビューが出ていた。
この人はアメリカやドイツで学んだ経済学者らしい。その人が新しい経済のありようを見出すカギはマルクスの『資本論』だという。
斎藤さんはスェ―デンの少女グレタさんの政治的主張を紹介している。
グレタさんの主張は『大人は無限の経済成長というおとぎ話を繰り返すな』『今のシステムでは解決できないならシステム自体を変えるべきだ』というのだそうだ。
日本では環境破壊を憂る少女の勇気ある発言として報道されている側面が強い。がそればかりではなく、「資本主義システムが深刻な異常気象を引き起こしており、経済成長が必須の資本主義のもとでは気候変動に対処できない」ということなのだそうです。
斎藤さんは続けて言う。「国連の報告書でさえ、経済成長だけを求めるモデルは持続可能性がない、として脱成長モデルを検討するようになっている」
だが、まだ日本では政治はそういう風には進んでいっていない。政治家はここ30年時間の空費をしたと。
「問題は富が『足りない』のではなく、十分に生み出されているのに一部の人が独占している。世界全体の富を独占する一部の金持ちにもっと課税して分配すればいい」
「マルクスの資本論の本質は、人間と自然環境の強い結びつきにあることがわかってきた」とのことです。
『ポスト資本主義』の構想が必要であり、その具体化は『グリーン・ニューディール』であり、公共事業で各産業分野での再生可能エネルギーへの転換を後押しし、新しい雇用を生み出し、生活に欠かせないものは『公有化』していく。
一口に言ってしまうとこういう構想らしい。
いまのままでは、地球の持続可能性が危うい。前からわかっていたことだが、そういわれるとなるほどと思える。ここには人類の生存のための確かな戦略が見えてくる。