論文の中の雑誌の引用のしかたをどうするか。
これは単に表示の仕方だけの問題であるが、標準的なやり方を知らない。
たとえば、私は『数学・物理通信』というサーキュラーをメールで発行している。これを論文の本文中で引用するときには私は「数学・物理通信」としてきたが、論文の校正を受け取ったら、これには『数学・物理通信』となっていた。
それで、迷ってしまった。私は論文の中で本を引用するときには、『物理数学散歩』というように『 と 』を使ってきたが、論文中では本と雑誌とを区別するために「数学・物理通信」のように表示するほうがよいと思い込んでいた。
それで、こういう参考文献はどうか書いたらよいと勧めているのかと、その種の本で調べてみたのだが、あまりはっきりしない。
自分の著書『四元数の発見』では編集者の指示だと思うが、『数学・物理通信』のように 『 と 』 とが使われていた。
結城浩さんの『数学文章作法』基礎編(ちくま学芸文庫)にも参考文献の書き方は載っていない。推敲編には出ているのかもしれないが、こちらはまだ持っていない。
木下是雄『理科系の作文技術』(中公新書)にも明確には参考文献の書き方については出ていない。板倉聖宣『模倣と創造』(仮説社)には雑誌も論文中では『数学・物理通信』のように、 『 と 』 を用いると書いてあった。
ただ、実際の参考文献の箇所では日本語の雑誌を 『 と 』 で囲んだものはあまり見たことがない。